病理細胞診検査室
病理細胞診検査とは、患者さんから採取した臓器や細胞を病理医が顕微鏡で観察し、病気の診断や原因を究明する検査です。
検査のためには、いただいた患者さんの検体に特殊な処理を行い、ガラスの標本にする必要があります。そのため、結果の報告に1週間ほどお時間をいただいています。
当院には大きく分けて、「組織診断」と「細胞診断」があります。
「組織診断」は、内視鏡検査などで採取した組織の一部や手術で摘出した臓器などを対象に診断します。
「細胞診断」は、排出された喀痰や尿、病変部をブラシで擦って採取した細胞などを対象に診断します。
他に、病気をより詳しく検査するために細胞のタンパク質を染め分ける「免疫組織化学染色」、癌細胞の遺伝子を解析する「遺伝子検査」、病気で亡くなられた患者さんの死亡原因を特定する「病理解剖」などを行っています。
組織診断
組織診断は検体の種類によって、以下の(1)〜(3)に分類されます。
(1)生検検体
| 内視鏡検査や画像検査で、病気の疑いのある部位(病変部)の一部を針やメスで採取し検査することで、良性・悪性の鑑別や病変部の性状を診断します。画像検査など見た目だけでは良性・悪性の判断が困難な病気の診断ができる特徴があり、診断結果によって手術の必要性や治療の方針が決定します。 |
(2)手術検体
| 手術で病変のある臓器や組織を切除し検査することで、良性・悪性の鑑別や病変部の広がり・浸潤度、病変部の取り残しがないかなどを診断します。この結果が最終診断となり、治療方針の決定や治療効果の評価を行うことができます。 |
(3)術中迅速検体
| 手術中に採取した臓器や組織の一部を検体とし、通常より短い時間で診断結果を報告します。これにより臓器の切除範囲や手術方針が決定します。 採取した検体を冷却溶剤で瞬時に凍らせて、凍結切片作製装置(クリオスタット)で標本を作製することで、通常、結果報告に1週間ほどかかるものを30分程度で報告します。 | 凍結切片 作製装置 |
標本作製までの過程
| 1 生検材料処理 生検材料の採取量・数を確認します |
2 手術材料切り出し![]() 肉眼的所見を下に 組織診断に必要な部位を切り出します |
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| 3 パラフィン包埋作業 切り出された材料を パラフィン包埋します |
4 パラフィン包埋ブロック ![]() |
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5 薄切作業![]() パラフィンブロックをミクロトーム装置で 2~3μmの厚さに薄切します |
6 標本の染色![]() 薄切した切片をガラスに貼り付け 染色を施行すれば組織標本の完成です |
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細胞診断
| 患者さんから排出された喀痰や尿、胸水や腹水などの体腔液、口腔内や子宮膣部・子宮内膜などブラシで擦ってきた検体で標本を作製し、標本上の細胞を顕微鏡で観察して異常のある細胞がないかを診断します。組織診断に比べて、検体採取時の患者さんの負担が少なく、健診検体の悪性のふるい分けや治療後のフォローアップなど繰り返し検査を行うことができます。 |
標本作製までの過程
1 検体処理![]() 材料をガラスの引き合わせで 薄く延ばします |
2 標本の染色![]() パパニコロー 染色標本です |
3 鏡検![]() 標本中の全細胞を観察し 異常細胞の有無を検索します |
![]() 子宮膣部の正常細胞 |
![]() 子宮膣部の癌細胞 |
免疫組織化学染色
| 標本上の特定のタンパク質に抗体を結合させて目で見えるようにできる染色です。 HE染色は組織の構造などを観察できることに対して、免疫染色は異常のある細胞をより詳しく検査することができ、これにより病理医が的確な診断をすることができます。当院では2台の自動免疫染色装置を使用し、癌の型判定や治療薬の効果予測(コンパニオン診断)を行っています。 |
遺伝子検査
| 標本上の組織の遺伝子を検査することで、癌細胞に特有の遺伝子発現の有無や遺伝子変異を解析します。これにより治療の選択や治療効果の予測をすることができます。当院では2017年7月より遺伝子検査の院内実施を開始しました。 |
病理解剖
| 病気で亡くなられた患者さんのご遺体を、ご家族の承諾のもと、病理医が解剖し、死亡原因を特定することです。臓器を取り出し、標本を作製して顕微鏡で観察することで、病気の本態や診断・治療効果の究明などを行い、死亡に至るまでの経緯を医学的に明らかにすることができます。 | ![]() 剖検室 |
外部精度管理
外部精度管理
以下の外部精度管理事業に参加しています。
・(一社)日本臨床衛生検査技師会
・(公社)日本臨床細胞学会
・NPO法人 日本臨床細胞学会
・(一社)岐阜県臨床細胞学会

























