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災害拠点病院

災害拠点病院の指定について

当院は1996年12月、岐阜県より地域災害拠点病院の指定を受けています。
災害拠点病院とは、災害対策基本法に基づいて都道府県知事が指定する病院で、地震・津波・台風・噴火等の災害発生時に傷病者の受け入れや災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team = DMAT)の派遣を行う機能を持った病院です。
1995年に発生した阪神・淡路大震災を受け、災害時の医療体制のあり方に関する研究を踏まえて整備されることになりました。
災害拠点病院は、患者の広域搬送や応急用資器材の貸出し、医療救護チームの派遣等に対応する機能を有しています。

災害拠点病院の指定要件

(「災害における医療体制の充実強化について」2012年3月21日付厚生労働省医政局発出より抜粋)

運営
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し派遣体制があること。また災害発生時に他の医療機関のDMATや医療チームの支援を受け入れる体制を整えておくこと
  • 地域の二次救急医療機関とともに定期的な訓練を実施すること。また災害時に地域の医療機関への支援を行うための体制を整えておくこと
  • ヘリコプター輸送の際には、同乗できる医師を派遣できることが望ましい
施設
  • ICU、手術室、人工透析室等、救急診療に必要な部門を設けるとともに、災害時における患者の多数発生時に対応可能なスペース及び簡易ベッド等の備蓄スペースを確保する。
  • 通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機等を保有し、3日分程度の燃料を確保する。
  • 適切な容量の受水槽の保有、停電時にも使用可能な井戸設備の整備
設備
  • 衛星回線インターネットの整備
  • 広域災害・救急医療情報システム(EMIS)の参加
  • 災害時に多発する重篤救急患者の救命医療を行うための診療設備
  • 患者の多数発生時用の簡易ベッドの確保
  • 被災地における自己完結型の医療に対応できる携行式の応急用医療資器材等の確保
その他
  • 食料、飲料水、医薬品等について、3日分程度の備蓄
搬送
  • 病院敷地内にヘリコプターの離発着場を確保

災害に対する備え

当院は大規模災害等の発生に備え、施設・資器材の整備を行っております。

自家発電装置

燃料には重油を使用します。
約3日程度稼動することができます。

各種通信設備

MCA無線機(右)業務用簡易無線機(中・左)
院内電話回線が使用できない場合に、情報伝達手段として活用します。
MCA無線機は地域の医療機関との通信が可能です。
衛星電話機
固定・携帯電話回線が使用できない場合において通信環境を確保します。
インターネットとの接続も可能です。

災害除染システム

CBRNE災害(放射性物質、生化学物質などによる災害やテロ)発生時において、汚染された傷病者を除染する設備です。
除染テント内には、温水シャワー設備等が設置されます。
対応するスタッフは汚染防止のため、レベルCの防護服を装着し二次災害から身を守ります。

除染テント
除染の様子
レベルC 防護服

3病棟屋上ヘリポート

広域医療搬送時、ドクターヘリ、防災ヘリ等の離発着に使用します。

救命救急センター 待合椅子

多数傷病者受入時には、背もたれ部分を倒すことで簡易ベッドとして使用できます。

訓練・研修

地域災害拠点病院して、院内・外において様々な訓練・研修を行っています。
訓練・研修は定期的に開催されており、病院スタッフの危機意識向上と、実際の災害発生時においては適切な対応が可能となることが期待されます。

集団救急模擬訓練(トリアージ訓練)

地震等の大災害発生時を想定し、多数傷病者の受け入れ訓練を年1回、実施しています。
病院スタッフのほか、地域の救急隊員や看護学生にも模擬患者として参加してもらっています。

大垣市民病院災害ロジスティック研修(OMH-DLOG研修)

主に事務系職員の災害時対応スキルの向上を目標とし、年6回のコースで実施しています。
災害医療の基礎的な知識や、トリアージ、各種通信機器の取扱い等を学びます。
研修の仕上げとして、医師・看護師等医療スタッフともに、スウェーデンの災害机上シミュレーション「エマルゴトレーニングシステム」を体験します。

ロジスティック研修の様子
業務用簡易無線機の操作トレーニング

エマルゴトレーニング イン OMHの様子

その他

初期臨床研修医や救命救急センターのスタッフ等を対象とした、トリアージ演習や、災害医療について学ぶ研修を随時開催しています。
全職員を対象とした、AED(除細動器)の操作演習も開催しています。
そのほか、地域の医療機関等、当院以外の医療スタッフを対象とした研修等も行っています。

DMAT(災害派遣医療チーム)

DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、専門的なトレーニングを受けた医師・看護師・調整員で構成され、災害超急性期から急性期(災害発生直後から48時間程度まで)において活動できる機動性を備えた医療チームです。
傷病者が多数発生する災害現場で、救出活動と並行して行う医療活動や、傷病者の治療の優先順位を決定する「トリアージ」を行います。
また被災地内の病院における医療支援や、航空機を使用して傷病者を被災地域外に搬送する「広域医療搬送」もDMATの重要な役割です。
DMATの隊員になるには、DMAT隊員要請研修を受講し、筆記・実技からなる認定試験をパスする必要があります。
また隊員資格の有効期限は5年間で、資格の更新には定められた研修等を受講しなければなりません。
当院では医師・看護師・薬剤師・臨床工学技士・事務員からなる約10数名のDMAT隊員が活動しています。
災害発生時に備え、随時、訓練・研修などに参加し、院内においては病院スタッフを対象に各種研修・訓練を企画、実施し、災害医療に関するスキルアップにつとめています。

東日本大震災時における災害医療活動他

2011年3月に発生した東日本大震災時には、4名のDMAT隊員を宮城県内へ派遣しました。
被災地では陸上自衛隊駐屯地において、広域医療搬送業務に従事しました。

DMAT隊員の研修・訓練

隊員のスキル向上のため、定期的に研修・訓練に参加しています。

DMAT専用車両

当院ではDMAT専用車両を整備しています。この車両は大規模災害等の発生時、DMAT隊員を現場へ派遣するために使用します。
多くの医療資器材を積載することができ、また衛星電話システムや大型の電源供給装置、タープ等が装備されているので、災害現場におけるDMAT活動拠点としての機能を備えています。