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病院幹部

院 長 金岡 祐次 消化器外科
副院長 進藤  丈 呼吸器内科
桐山 勢生 消化器内科
小林 正明 整形外科
傍島 裕司 糖尿病・腎臓内科
大西 将美 頭頸部・耳鼻いんこう科
前田 敦行 消化器外科
薬剤部長 吉村 知哲
看護部長 杉野 千里
事務局長 川合 秀明


 

ais_kana.jpg COVID-19の2年間を総括する

 2020年1月武漢発の新型コロナウイルス感染症は情報が乏しい中で世界中に広がりを見せ、近隣国の日本ではクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の集団感染で乗客乗員3700人中712人が感染、14人が死亡した。当時は東京オリンピック開催の可否もあり新型感染症に対する準備も対策も後手にまわった。ただ日本の風土と習慣(マスクなどの感染症に対する防御に慣れていた)が幸いして欧米のようなパンデミックには至らなかった。
 当院は緊急COVID会議を開いて救急外来で発熱患者の一括対応をすること、疑い例は個室管理すること、小児科など、患者が減少した科を中心に全科的に発熱外来、コロナ入院患者の対応をすることを決めた。2月25日に岐阜県第1例目のコロナ患者が当院に入院したが、幸い院内の濃厚接触者は全例PCR陰性であった。患者はその日のうちに重症化して呼吸器管理となったが無事退院できた。以後も入院患者で後にコロナ陽性が判明する例が数例あったが院内感染は現在に至るまで約2年間ゼロである。コロナを院内に持ち込まない努力は必要だが、大切なことは網を搔い潜った場合の対応である。当院ではゲートチェックや面会謝絶などの過剰な対策はとらず、いかに一般診療と調和を保ちつつ、患者家族への不安を募らせない形でコロナ対応ができるかを模索してきた。具体的には緊急入院患者はすべてコロナ陽性の可能性があるものとして個室対応あるいはコロナ病床に入院させた。予定入院は直前に極力PCRで陰性を確認した。面会制限も1家族1名までは許可した(第5波を除いて)。大切なことはリアルタイムで地域の状況(コロナ感染者数、PCR陽性率)を把握しコロナ患者を地域全体で管理すること、そのためには医師会、保健所、各病院が連携し情報を共有することが大切である。保健所への患者報告をデジタル化するため(電話、FAXは煩雑なので)当院独自のITシステム"COVID101"を4月に構築し、同年8月には"コロネット"と称する西濃地区コロナ入院患者、発熱外来患者数、PCR陽性率をメールで当院から医師会、歯科医師会、薬剤師会に発信した(週2回)。さらに年末からの第3波によるコロナ急増に対応し県内最大規模の重症9床、中等から軽症47床の合計56床のコロナ病床を設置した。第3波では高齢者の死亡者が続出したが、アビガンもレムデシビルも効果は限定的で重症化した患者にはステロイドしかなかったが、結局2次的な細菌感染症と血液凝固異常症で失った。
 感染の波の大きさは翌年8月の第5波(デルタ株)が示したようにウイルスの感染力がすべてである。発熱外来患者数が毎日100人に達しPCR陽性率も20%を超えた(最大陽性率50%)。当院は西濃地区最後の砦として常に患者数に合わせてコロナ対応を拡大してきたが初めて限界を感じ2ヶ月間の完全面会謝絶を行い、コロナ専用ホテルからのコロナ患者転送を一時遮断した。重症患者が9人に達した時(呼吸器8名、エクモ1名装着)はそれ以上の増床は"大多数のコロナ以外の一般重症患者"を圧迫することになると判断したからである。ただし第5波では高齢者の感染は少なく、全体の死亡者もわずかであった。高齢者へのワクチン接種が7月までにほぼ90%完了していたためである。ワクチン効果が絶大であることが証明された形だが、その後国が固執した8ヶ月の壁のためにブースター摂取(3回目のワクチン接種)が遅れたが、年末になってようやく6ヶ月の方針をだしたので高齢者、一般市民には朗報である。現在オミクロン株に沸く日本であるが私たち医療者は冷静に現況を判断し、自らの安全確保と円滑な病院機能の保持を、これまでも、そしてこれからも、維持していかなければならない。今後も形を変えてコロナ対応は続くだろうが明らかにコロナの背中が見えてきたと感じている。

2022年1月 大垣市民病院 院長 金岡祐次