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がん薬物療法

 当院薬剤部には「がん領域における薬物療法などについての高度な知識と技術を用い、医療機関において質の高いがん薬物療法を実践する者」として、日本医療薬学会から認定を受けた「がん専門薬剤師」が12名在籍しています。がん専門薬剤師を中心に、薬剤部全体でがん薬物療法が効果的かつ安全に行われるように積極的に取り組んでいます。

抗がん薬の無菌調製

 薬剤部内にあるミキシングルームで注射抗がん薬の調製を行っています。医師がオーダした処方内容を監査した上で、複数の薬剤師で確認を重ねながら正確に調製を行っています。調製件数は年々増加傾向にあり注射抗がん薬治療を陰で支えています。

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 クラスⅡB2の100%屋外廃棄型の安全キャビネット内で十分な曝露対策を施し調製しています。閉鎖式接続器具も使用しています。

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写真 安全キャビネットでの抗がん薬無菌調製

抗がん剤調製ロボット

 岐阜県内で初となる抗がん剤混合調製ロボット(ケモロ)が導入されました。専用トレイを用いて抗がん剤や輸液、針・シリンジ等の必要な物品をセットしてケモロ内に送り込むことで二本のアームでそれらをつかみ、人間の腕のようになめらかに混合調製を行います。ケモロ導入により、薬剤師に対する抗がん剤曝露を軽減でき、さらには抗がん剤混合調製といった対物業務をまかせることで業務が効率化され、対人業務の拡充につながることが期待できます。すべての抗がん剤がケモロで対応できるわけではないため、薬剤師による調製は並行していますが、抗がん剤混合調製におけるケモロと薬剤師の融和が、医療の質向上に貢献できるよう取り組んでいきます。

ミキシングルームに配置されたケモロ ケモロ専用トレイ
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二本のアームで混合調製している所
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レジメン管理

 レジメンとは抗がん薬における投与計画書となるもので、当院ではあらかじめ登録されたレジメンを電子カルテ上でオーダする運用になっています。レジメンは化学療法検討部会で審議され、医学的根拠にもとづいて承認されたもののみが登録されます。薬剤師は化学療法検討部会のメンバーとして、レジメンの審査・登録・管理に携わっています。

通院治療センターでの業務

 外来での注射抗がん薬治療は通院治療センターで行っています。薬剤師は3名[主担当(1日):1名、副担当(半日):2名]が曜日担当制で常駐し、治療内容・予測される副作用の説明、副作用管理、医師への処方提案等を行っています。主担当は全員ががん専門薬剤師の資格を有しています。

チーム医療への関わり

 ニボルマブをはじめとする免疫チェックポイント阻害薬の副作用は多岐にわたるため、副作用への対応には多職種の関わりが必要になります。当院では院内全体でのサポート体制を築くべく、免疫チェックポイント阻害薬に対する院内チームが発足しました。薬剤師もメンバーとして副作用の情報収集や各診療科の橋渡し役としてチーム活動に貢献しています。またゲノム医療の領域においても、業務が円滑に進むよう薬剤師が参画しています。