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当院でのがん検診について

健康管理センター 武田 功


 がん検診といえば、大部分の方が胃がん検診を思い浮かべることと思います。この日本独特の胃癌検診システムは全国で実施され、大きな成果を上げてきました。20年前の統計では、人間ドックで見つかるがんの6割ぐらいが胃がんでした。最近の傾向をみると、胃がんは3割ぐらいに減少し、その代わりに大腸がん、乳がんが急増しています。
 通常は40歳以上を「がん年齢」といいますが、女性では乳がん、子宮頸がんなど若年者にもみられるがんに注意が必要で、女性は30歳代から「がん年齢」と考えていたほうが無難です。
 検診ではあらゆるがんを対象としていますが、肝がんだけは別です。肝がんはその殆どがB型あるいはC型肝炎ウイルスの感染をベースとした慢性肝炎あるいは肝硬変から発症します。したがって、肝炎ウイルスに感染している人は、検診ではなく、消化器科にて定期的に検査を受けるべきです。
 検診で見つかるがんは胃がん、大腸がんが多く、乳がん、子宮がんが次いでいます。最近の話題としては、PSAという腫瘍マーカーが検診に採用され、前立腺癌が多数見つかるようになっています。さらには、検診では甲状腺がんや腎がんが一定の頻度で診断されることも一つの特徴です。膵がんや胆嚢がんは検診では殆ど遭遇しません。診断しにくいがんの代表といえます。肺がんは男性のがん死亡率では一番多いのですが、通常のX線撮影による発見例はそれほど多くありません。
 当院では、胃や大腸がんの検査はバリウム造影によるX線透視法で行われています。最近増えてきた乳がんに対してはマンモグラフィ(乳房のX線撮影)を取り入れました。現在の肺がん検診は通常のX線撮影で行われていますが、肺がんを早期に発見するために近々CT検診を導入したいと考えています。子宮頸がんに対する擦過細胞診は当センターで行われ、子宮体がんに対しては、婦人科医が必要と認めた場合、改めて婦人科外来にて検査を実施するようにしています。苦痛のない超音波検査は時間をかけて丁寧に、また、腹部臓器のみならず、頚部や下腹部を含めた広い範囲を診るようにしています。
 また平成20年6月からペット検診を始めました。詳しくはPET-CT装置をご覧ください。
 総合病院に付属する検診センターとしては、できるだけ多くのかたに苦痛なく気楽に検診を受けていただけるようにと、可能な限り垣根を低くして皆様の受診をお待ちしています。検診でがんの見つかるかたはそんなに多いものではありません。むしろ「がんがなくてよかったね。」といえる人が大部分なのです。たとえがんが見つかっても、「早く見つかってよかったね。」といえるのです。思い切って一度がん検診を受けてみませんか。