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内視鏡手術センター

 当院では2008年12月18日「内視鏡手術センター」を開設しました。内視鏡手術センターとは、腹腔鏡、胸腔鏡、体腔鏡手術を専門とする科を代表して器具の適正使用を管理・運営する部署を意味します。このことにより、医療器具の無駄をなくし、また各科が有効に器具を共有することは医療安全の点からも重要なシステムであると考えています。定期的に各科共同の会議を開き、内視鏡技術の向上、安全性の確保にも努力しています。他科の技術を積極的に導入、応用することも当センターの目的の一つです。
当センターは、外科、呼吸器外科、産婦人科、泌尿器科の4科よりなり、その他に手術室担当看護師、臨床工学技士で構成されています。
腹腔鏡手術では二酸化炭素で気腹(きふく)を行うことで腹腔内に自由なスペースを作り、良好な視野とともに手術器具の安全な操作を可能なものにしています。また、最近ではハイビジョン映像による拡大視によって通常の開腹手術を凌駕する繊細な手術手技を行うことができるようになりました。一方、医療における安全性の確保はもっとも大切なことです。無理な内視鏡手術はかえって患者の生命を脅かすことになります。当院では、現時点で標準化しつつある、安全が確保できる疾患・手技に対して内視鏡手術を施行しています。

 2013年10月21日県内初の内視鏡手術専用室が完成しました。新内視鏡手術室では、フルハイビジョンの液晶モニター4枚を天井懸架しました(写真①)。術者・助手のみならず麻酔医・看護師からもリアルタイムで状況の確認が容易です.モニターには、内視鏡映像だけでなく、内視鏡手術に必要な術前検査画像、術中超音波診断装置による臓器の断面画像、心電図等の生体モニター、さらに術野の外部映像(術野カメラが無影灯に内蔵されている)も表示できます。すべての映像は一元管理され、iPadのワイヤレスタッチパネルにより行い、手術全体の効率化に役立っています。"ナースカート" (写真②)にはiPad以外に、通常の電子カルテ端末、手術台を動かす無線コントローラー等が備わっているので看護師は無駄に移動することなく各種のコマンドを行うことができます。さらに新手術室の壁面に画像処理ソフト(ヴィンセント)を装備しました。特に肝胆膵癌の手術では高度な解剖学的脈管構造の把握が不可欠で、本ソフトは手術中のナビゲーションとして有効であり、今後各種の高難度手術に貢献するものと考えています。

図1

写真①

図2

写真②

各科手術の紹介

外科

 腹腔鏡下胆のう摘出術がわが国でも1990年から始まり、以来腹腔鏡下手術として大腸切除、胃切除、そけいヘルニア手術、虫垂切除、脾臓摘出、副腎摘出、十二指腸潰瘍穿孔手術、など枚挙にいとまがありません。
当院外科でも1990年から胆のう摘出術を開始し、これまでに上記手術をすべて行ってきました。特に腹腔鏡下胆のう摘出術は年間100例余りあり、最も一般的な術式といえます。脾臓、副腎摘出も腹腔鏡手術を第一選択としています。
特に2008年以降積極的に腹腔鏡下手術を採用するようになりました。腹腔鏡下結腸切除、直腸切除、胃切除、胃全摘から最近では腹腔鏡下ヘルニア手術(TAPP)もとりいれて少しでも患者さんに負担の少ない、かつ満足していただける手術をめざして外科全体で邁進しています。参考までに実際の手術手技をシェーマで解説します。

腹腔鏡下そけいヘルニア根治術(TAPP法)

 2012年から当院でも腹腔鏡下そけいヘルニア根治術を開始しています。従来は局所麻酔下にメッシュプラグという補強材を用いてヘルニア門(つまり脱腸の穴の意味)を塞いで内臓が体外へ突出しないようにしていました。現在でもこのメッシュプラグ法は施行していますが、より痛みが少なく、かつ傷が目立たずにすむ方法として最近では、腹腔鏡下法(TAPP法)を第一選択としています。長所は全身麻酔下の手術なので術中の痛みはありませんし、術後も傷が小さく組織破壊が少ないので従来法より明らかに楽です。現在まで重篤な合併症もなく、再発もありません。短所はやはり全身麻酔であることの負担(経済面も)があります。当院では約1時間の手術で、入院は3泊4日(術前1日、手術日、術後2日目に退院)です。 簡単な手術手順をシェーマで示します。症例は右外そけいヘルニアです。

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図1 トロッカー位置

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図2 ヘルニア門の確認(矢印)

まずトロッカー(ポートともいう)は3本です。12mmが1本(術者の右手用)、5mmが2本(へそ上部がカメラ用、もう一本が術者左手用)。点線がヘルニアの腫れを示しています。 腹腔内からカメラで観察するとヘルニア門(矢印)が明瞭に映し出されます。このことは実は大変大事なことで、従来法では時にヘルニア門を誤認する危険がありますが本法ではその心配はありません。

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図3 ヘルニア周囲組織の展開

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図4 3Dメッシュの固定

腹膜を切開しつつヘルニア門周辺の重要な臓器を露出するとともに、補強材(メッシュ)を安定的に固定するための"場"を展開します。 3Dメッシュを展開してヘルニア門を覆うように4か所で固定します(タッカーと呼ばれる特殊な固定ネジ)。

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図5 腹膜の縫合閉鎖

 
最後に切開した腹膜を吸収糸で閉鎖して(メッシュが見えないように)手術は終了します。
腹腔鏡下低位前方切除術(早期直腸がんに対する標準手術):

図1

図2

ポートの位置を示します。カメラ用(A、気腹装置と兼用)と吸引洗浄用、術者右手(B)左手(C)・助手の右手、左手で合計6ポート。 腸鉗子(A)でS状結腸を展開し、腸間膜を無傷鉗子(B)で牽引。支配血管を金属クリップではさみ、ハーモニック(超音波凝固切開装置、C)で切離する、Dは吸引洗浄用。

図3

図4

癌より肛門側の直腸周囲を剥離し、金属ステープラー(GIA)を用いて直腸を切断。 小開腹(4~5センチメートル)後、切除すべき直腸とS状結腸の一部を体外で切除して再び気腹し、体内で吻合器(EEA、矢印)を用いて直腸(R)とS状結腸(S)を吻合している。

図5

 
手術終了時の創部(D:ドレーンを1本挿入してある)。  
腹腔鏡下幽門側胃切除術(早期kら中期胃癌に対する術式):

 当科の特徴は、6ポート法と吸引器(スコピストが操る)による術野の展開にあります。6ポート法は3人の外科医が両手をフルに使用することで合理的な術野の展開と迅速な手術手技を可能にしました(本術式の平均手術時間は2時間30分です)。腹腔鏡下直腸手術とは違って、胃と腸の吻合は小開腹創から直接手縫いで吻合しています。完全腹腔鏡下手術へのこだわりはなく、安全で確実な方法をとるのが当科の方針です。

図1

図2

6ポートと肝臓を脱転するリバーリトラクター(G)が入ったところ。術者は患者さんの右側、左側と立ち位置を移動しながら手術します(助手は術者の反対側に立ちます)。トロッカーの位置は扇状を基本とします。
A、スコープ用、B、吸引器用でともにスコピストが操ります。
C/E、術者(助手)右手、D/F、術者(助手)左手
まず手術の流れを説明します。図のように体の中では胃は様々な血管から動脈血流(赤色)をうけ、また静脈血流(青色)として肝臓へ送り出しています。これらの胃周囲の血管を大きく分けて4か所(赤矢印)で切離して空色で囲まれた範囲を切除します(胃の切除範囲は全体の3分の2に相当します)。

図3

図4

十二指腸の切離は助手に胃を持ち上げてもらい(B)、エシュロンの自動縫合器(A)を用いて行います。 所属リンパ節の郭清を行います。通常の開腹手術とそんなには変わりません。スコピストが吸引器(C)で膵臓を押えて、術者は左手の無傷鉗子(B)で組織を把持して、右手のハーモニックスカルペルACE(A)で主要血管以外の周囲の結合織を丁寧に切離していきます。

図5

図6
矢印でしめす左胃静脈をクリッピングして切離したら、左胃動脈をリガクリップL(A)で2重にクリッピングして切離します。 ここから先は7cmの正中切開をおいてウーンドリトラクター(緑の丸でしめす)を装着し、この窓からすべての開腹操作を行います。まずリニアカッターで胃を切離します。

図7

図8

直角の遮断鉗子(A)を十二指腸、胃にそれぞれかけて固定し、3-0バイクリル吸収糸(B)を用いて手縫いで胃と腸を吻合します。吻合は18から20針で行われます。 手術終了図です。矢印が吻合部を示しています。Aは閉鎖式のフラットドレーンです。皮膚切開部はすべて吸収糸で埋没縫合します。
腹腔鏡下肝部分切除術:

 主に肝細胞がん、あるいは転移性肝がんに対して行っている。

① 5~6ポートで行う。最終的には摘出する肝臓は臍下の12mmポートを広げて(大体4~5cm)この部位から体外へ出す。従来の開腹手術では20~30cmの大きな傷が右肋弓下に必要であったことを思えば格段の差である。

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② 肝硬変の場合肝臓は硬く、表面には再生結節をともなう。肝十二指腸間膜にテープ(図の矢印)をかけて間欠的血流遮断下に肝離断をおこなう。胆嚢は腫瘍の位置によって必要であれば摘出する。

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③ 下図のように肝を左右に牽引しながら、CUSA(図のA)で肝をわり、LCS(図のB)で止血する。太いグリソンはクリッピングしてから切離する。二酸化炭素で気腹(10mmHgの圧)しているので細かな出血は抑えられている。またこの手術では肝臓周囲の剥離も必要最小限ですむので、特に肝硬変などで術後に腹水が生じやすい患者さんでも腹水は起こりにくいので手術適応自体も広がっている。

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④ 最後に出血、胆汁漏がないことを確認して閉鎖式ドレーン(矢印)を1本留置して終了。

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腹腔鏡下膵尾部脾切除術:

 主に低悪性度の膵腫瘍(IPMN、NETなど)に対して行っている。

① 5~6ポートで行う。膵切離も体内で行うため創部はポート創のみである。

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② 胃と膵臓の剥離は超音波凝固切開装置で行う(矢印の方向に、胃の血管はクリッピングしてある)。リバーリトラクターで胃を頭側に圧排している。

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③ 脾動静脈は膵を左手鉗子で圧排して背側から行う。脾動脈(図のSA)、脾静脈(図のSV)の順にクリッピングしてから切離する。

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④ 脾臓と後腹膜(左腎臓の前面)の間も同様に牽引しながら切離するが、ここでは電気メス(図の矢印)を使うことが多い。

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⑤ 自動縫合器を用いて切離する。標本臓器は臍下創を4cm程に延長して取り出す。

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呼吸器外科

 胸腔鏡手術(VATS)は、開胸手術と比較して患者さんの心身の負担が少ない低侵襲な術式です。当院呼吸器外科においては、肺腫瘍(主に肺がん)、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などの胸部腫瘍性疾患や、自然気胸、炎症性肺疾患などの良性肺疾患に広くVATSを行っており、全手術の8割がこの術式です。もちろん、肺がんなどの悪性腫瘍に対して根治性を損なうことはありません。

 当科の特徴として、多くの肺疾患(主に肺がん)に対して単孔式(uniportal)VATS(U-VATS)を採用しています。図に各術式のポート位置と数の違いを示しますが、多孔式(multiport)VATS(M-VATS)では通常3-4ヶ所、ロボット手術(いわゆるダ・ビンチ手術)も同様に多孔式です。切除した肺を取り出すためには最低4cmの切開を必要としますので、他の術式と比較して単孔式VATSは最も低侵襲といえます。

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 4cm の小創(ポート)1か所のみからカメラと手術器具を挿入し肺切除術を行うため、非常に繊細かつ高度な器具操作が要求されます。さらに、手術を安全確実かつ円滑に進めるには、術者の技量のみならず助手を含めたチームワークが極めて重要であり、それらが実際に有機的に機能しているのが当科の強みです。(写真:実際の手術風景)

  手術風景

 U-VATSを導入した2018年11月以来2022年12月までに546件のU-VATSを行いました。その内訳は、術式別で肺葉切除299/区域切除51/部分切除164/その他32,疾患別には肺癌326/転移性肺腫瘍72/その他148です。従前のM-VATSと統計学的に比較してみると、平均手術時間がより短く(通常2時間前後)、術後の痛みは明らかに小さく、出血量は同等で5ml程と少量で、術後合併症にも差はありませんでした。U-VATSは患者さんにより優しい術式であることが判ります。現在、Ⅱ期やⅢ期肺癌にもその手術適応を拡大しています。

 右上葉肺がんに対する右上葉切除+リンパ節郭清術(ここに示すイラストはM-VATSのものです。U-VATSでは肺切除の手順が少し異なります。

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 ただし、以下の条件下では、小開胸VATS(①の創を8~12cm程広げて胸腔鏡で補助する)、もしくは、開胸手術(後側方アプローチや前方アプローチ)が選択されます。大きな病変が肺の中枢側(肺の根元)にある場合、肺門部リンパ節ががんの転移や古い炎症により腫大し周辺臓器(気管支や血管)に強く癒着している場合、肺に広範で強固な癒着がある場合、周辺臓器の合併切除を要する場合などです。

 縦隔腫瘍や胸壁腫瘍に対しては、側胸部に3ポート(径1.5 cmを1ヶ所、径0.7 cmを2ヶ所)を置き、胸腔内をCO2で陽圧にして腫瘍を切除するVATSを行っています。重症筋無力症に対する拡大胸腺的手術もこの方法に準じて行っています。従前の開胸法(胸骨正中切開)に比べ圧倒的に低侵襲です。腫瘍が大きく周辺臓器への浸潤がある場合には開胸手術(胸骨正中切開)となります。

 自然気胸に対しては3ポート(径1.5 cmを1ヶ所、径0.7 cmを2ヶ所)のM-VATSにて手術します。

 

泌尿器科

 腹腔内の臓器に対して開発された腹腔鏡手術は、われわれ泌尿器科医が手術を行う後腹膜臓器にも応用されるようになりました。1990年に初めて行われた腹腔鏡下腎摘除術を皮切りに、副腎、尿管、前立腺、膀胱などの手術に応用されています。当科でも平成23年より腹腔鏡手術を開始しました。これまでに、腹腔鏡下腎摘除術、腎部分切除術、副腎摘除術、腎盂形成術などを実施し、約1年間で50例に及ぶ腹腔鏡手術を行ってまいりました。近年、超音波、CTなどの画像診断技術の発展や検診への普及により小さい段階で発見される腎癌が増加しており、そのようなケースに対して積極的に腎部分切除術を行い、低侵襲かつ機能温存手術を実践しております。
では、泌尿器科で行われる腹腔鏡手術のうち、最も代表的な腹腔鏡下左腎摘除術について解説します。

                    
イラスト1                        イラスト2

 まず全身麻酔をかけた後、横向きの体位をとります。腹部の4か所を小さく切開して穴をあけ、カメラや鉗子を出し入れするための筒状の器具(ポート)を挿入します(イラスト1)。炭酸ガスでお腹を膨らませ(気腹)、手術を行います。下行結腸、脾臓の外側で腹膜を切開し、後腹膜腔へ入ります(イラスト2)。

                    
イラスト3                          イラスト4

 ジェロータ筋膜の層で腎の表面を剥離し、腎臓へつながる動脈、静脈を見つけます(イラスト3)。腎動脈、続いて腎静脈を手術用クリップではさんで切断します(イラスト4)。腎周囲を剥離したのち尿管を切断し、腎臓を遊離します。

       
イラスト5

 腎を袋の中に収納し、傷のひとつを切り広げて腎臓を摘出します(イラスト5)。

ロボット支援前立腺全摘術の手術手順

ロボット手術は腹腔鏡手術の進化した形です。腹腔鏡手術において手で操作しているカメラや鉗子をロボットのアームに装着し、術者が専用のコントローラーを用いてこれらを操作し手術を行います。ロボット手術の詳細は下記をご参照ください。ここでは当院で施行している前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の手術手順をご紹介いたします。

腹部に恥骨を中心とした扇状になるようにポートを5か所挿入します。上腹部に助手用のポートをもう一か所挿入します。

体位を25°の頭低位とし、患者さんとロボットのペイシェントカートをドッキングします(図1)。

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図1ペイシェントカートのドッキング

ロボットの各アームにカメラや鉗子を取り付け、腹腔内へ挿入します。

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腹膜を扇状に切開します(図2)。

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内骨盤筋膜を切開し、前立腺の側方と肛門挙筋を剥離します(図3)。

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膀胱頚部を切開し前立腺と膀胱の間を離断します(図4)。

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前立腺背側で精管を切断し精嚢を剥離します(図5)。

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前立腺の背側で直腸との間を剥離し、左右に残った血管茎を切断します(図6)。

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再び前立腺の腹側から静脈叢を切断後、尿道を切断し前立腺を遊離します(図7)。

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最後に尿道と膀胱を吻合します(図8)。

産婦人科

 低侵襲手術に対するニーズに応え、2004年から腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術を行っております。わが国では腹腔鏡下手術の悪性疾患への応用はいまだコンセンサスが得られておらず、当科では主に良性疾患を対象に行っています。(子宮頸部上皮内癌は対象としています)従来の開腹手術と比較し術後の痛みが少なく、社会復帰が早くなります。子宮鏡下手術で翌日、腹腔鏡下手術で術後4日目に退院となります。切開創は美容面に配慮し、臍に隠れる場所と下腹部で術後目立たない場所を選択しています。創部は皮下を吸収糸で縫合しますので術後抜糸はいりません。ただし全例が腹腔鏡下手術の適応となるわけではありません。開腹手術と比較し腹腔鏡手術には限界もあり特異の危険性もあります。
患者にとって最も適切な医療を提供すると言う観点から侵襲を軽減させることが可能なら腹腔鏡下手術を選択し、そうでなければ開腹術を選択すべきであると考えます。
大きな子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症などで高度の癒着が予測される場合には開腹での手術を選択します。
2012年一年間で129例の腹腔鏡下手術と7例の子宮鏡下手術を行い、子宮外妊娠や卵巣のう腫茎捻転等の緊急時にも可能な限り腹腔鏡下手術で対応しています。主に気腹法で行っていますが、症例によっては吊り上げ法で行う場合もあります。

腹腔鏡下手術対象疾患

子宮外妊娠,子宮付属器腫瘍,子宮筋腫(漿膜下筋腫・筋層内筋腫)
子宮内膜症,子宮頸部異形成・上皮内癌

子宮鏡下手術対象疾患

子宮筋腫(粘膜下筋腫),子宮内膜ポリープ

当科で行っている術式

腹腔鏡下卵管切除術,腹腔鏡下付属器切除術,腹腔鏡下卵巣のう腫核出術
腹腔鏡下子宮全摘術(LH),腹腔鏡補助下子宮摘出術(LAVH)
腹腔鏡下子宮筋腫核出術(LM),腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)

腹腔鏡下手術の実際


Fig.A

Fig.B
切開創・臍 5ミリメートル 右5ミリメートル 左12ミリメートル トロカール挿入(正中に5ミリメートル) 術後6ヶ月の創部(患者本人の了承を得ています)

手術症例

診療実績

 手術実績(件数)

2019年 2020年 2021年
外科・
消化器外科領域
食道 11 21 17
胃 96 60 68
大腸・小腸 133 125 146
肝臓 52 33 52
膵臓 39 32 34
胆石 207 251 243
そけいヘルニア 127 119 137
肥満 14 13 26
その他 6 28 42
合計 671 669 765
2021年 2022年 2023年
婦人科
領域
附属器(卵巣など) 120 103 83
子宮全摘 24(体癌 0) 45(体癌 0) 57(体癌 14)
子宮筋腫 2 0 0
異所性妊娠 11 11 6
子宮鏡手術TCR 45 30 35
マイクロ波子宮内膜アブレーション 1 1 0
合計 203 190 181

2022年 2023年 2024年
泌尿器科領域
腎臓 17 18 19
尿管 14 19 14
副腎他 4 7 1
ロボット前立腺 62 71 50
ロボット腎臓 37 24 16
ロボット膀胱 0 3 15
合計 134 142 115

2023年 2024年 2025年
呼吸器
外科領域
肺 175 154 162
縦隔・胸壁 12 11 7
その他 15 15 18
合計 202 180 187

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