呼吸器外科
呼吸器外科の紹介
大垣市民病院は厚労省認定がん診療連携拠点病院ですので、当呼吸器外科でも肺がんをはじめとする胸部腫瘍性疾患を主に診療していますが、気胸、胸部外傷、膿胸、肺非定型抗酸菌症など呼吸器外科領域の多岐にわたる傷病も診療対象としています。また、総合病院である利点を生かし、高齢、肺気腫、糖尿病、虚血性心疾患、腎不全などリスクを抱えた患者さんも、関係各科と連携した診療により安全に手術を受けることができます。手術による疾患の根治性と術後のQOL(生活の質)の維持との接点を探り、肺機能温存術式(区域切除術、気管支形成術、血管形成術など)を積極的に行っています。
肺がんに対する術式の多くが胸腔鏡手術ですが、当院では単孔式胸腔鏡手術を標準術式としています。4cmの小さな傷一ヶ所（単孔）からから肺切除やリンパ節郭清を行うという方法で、他の多くの病院での一般的胸腔鏡手術（多孔式）や一部施設のロボット支援手術と比較して身体への侵襲が最も小さい術式といえます。詳細は当院ホームページ－センター紹介→内視鏡手術センターの呼吸器外科をご覧下さい。
局所進行肺がんと診断された場合には、まず化学放射線療法で病変部を叩いた上で手術を行うことで根治性を高めています。術式の多くは開胸手術ですが、一部には単孔式胸腔鏡手術も適応しています。また、多発肺がんに対しては、腫瘍すべてに外科治療のみでは患者さんの身体への負担が大きい、もしくは、耐えられないと診断された場合、肺切除術と体幹部定位放射線照射（当院放射線治療科にて）を組み合わせたハイブリッド治療にて対応しています。
縦隔腫瘍（胸腺腫など）や胸壁腫瘍に対する術式には、胸腔鏡手術（多孔式＋CO2送気法）か開胸手術（胸骨正中切開、同部分切開）かは、腫瘍の大きさや場所により適応が判断されます。
気胸にはほぼすべてに胸腔鏡手術を行っています。
当科では常に、病気の根治制と治療による身体へ負担とのバランスを考え、各患者さんに適したより善い医療を提供します。
基本方針
- 病院の基本理念に準じ、患者さんに安心と満足を提供します。
- 治療方針は、呼吸器内科・呼吸器外科合同カンファレンスにて検討され、科学的根拠に基づいた治療が施行されます。
スタッフ紹介
- 重光 希公生
| 役職 | 部長 |
|---|---|
| 卒業大学名 医師免許取得年 |
鹿児島大学 1988年 |
| 専門医資格(その他) | 日本呼吸器外科学会専門医 日本呼吸器外科学会評議員 日本肺癌学会評議員 日本外科学会専門医 胸腔鏡安全技術認定医 国立がんセンター・レジデント・チーフレジデント修了 |
| 専門分野 | 肺・縦隔・胸壁の外科 |
- 森 俊輔
| 役職 | 医長 |
|---|---|
| 卒業大学名 医師免許取得年 |
三重大学 2006年 |
| 専門医資格(その他) | 日本外科学会専門医 日本呼吸器外科学会専門医 愛知県がんセンター・レジデント修了 |
| 専門分野 | 肺・縦隔・胸壁の外科 |
- 北川 崇
| 役職 | 医員 |
|---|---|
| 卒業大学名 医師免許取得年 |
名古屋大学 2018年 |
| 専門医資格(その他) | 日本外科学会専門医 |
| 専門分野 |
- 磐下 裕樹
| 役職 | 医員 |
|---|---|
| 卒業大学名 医師免許取得年 |
名古屋大学 2022年 |
| 専門医資格(その他) | |
| 専門分野 |
手術症例
診療実績
[疾患別]
| 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 肺悪性腫瘍（主に肺癌） | 107 | 100 | 121 | 100 | 113 |
| 転移性肺腫瘍 | 16 | 17 | 24 | 17 | 27 |
| 肺良性腫瘍 | 2 | 3 | 5 | 4 | 3 |
| 嚢胞性肺疾患(気胸など) | 70 | 54 | 63 | 51 | 62 |
| 炎症性肺疾患（感染症など） | 4 | 7 | 5 | 6 | 4 |
| 縦隔腫瘍（胸腺腫など） | 13 | 17 | 6 | 14 | 11 |
| 胸壁腫瘍 | 3 | 2 | 3 | 2 | 2 |
| 膿胸 | 10 | 6 | 4 | 5 | 5 |
| 外傷 | 24 | 12 | 0 | 2 | 3 |
| その他 | 19 | 25 | 27 | 17 | 23 |
| 計 | 268 | 243 | 258 | 218 | 253 |
| 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 重症筋無力症（胸腺腫合併含） | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
[術式別] （ ）内は胸腔鏡下手術
| 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 肺全摘 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 肺葉切除 | 89(68) | 87(63) | 105(84) | 93(64) | 100(82) |
| 肺区域切除 | 13(10) | 15(15) | 9(8) | 9(8) | 16(15) |
| 肺部分切除 | 99(97) | 82(77) | 99(92) | 76(71) | 99(96) |
| 肺切除＋気管支形成 | 1 | 1 | 2 | 1(1) | 1 |
| 胸腺摘出 | 6(4) | 11(4) | 3(3) | 9(5) | 5(4) |
| 腫瘍摘出 | 9(8) | 4(3) | 5(4) | 6(5) | 7(6) |
| その他 | 51 | 42 | 34 | 23 | 25 |
単孔式胸腔鏡手術件数
| 術式別 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 肺葉切除術 | 68 | 62 | 83 | 63 | 80 |
| 区域切除術 | 10 | 15 | 8 | 8 | 14 |
| 部分切除術 | 20 | 20 | 27 | 44 | 72 |
| その他 | 3 | 1 | 9 | 4 | 12 |
| 疾患別 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 |
| 肺癌 | 80 | 72 | 88 | 62 | 88 |
| 転移性肺腫瘍 | 12 | 13 | 20 | 14 | 26 |
| その他 | 9 | 15 | 19 | 43 | 62 |
| 計 | 101 | 100 | 127 | 119 | 176 |
学会発表
| 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内学会発表数 | 10 | 10 | 10 | 11 | 12 |
| 論文数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 |
