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リハビリテーション科

リハビリテーション科(センター)の紹介

 当センターは昭和36年開院と同時に整形外科物療室として始まり、昭和40年に理学診療科、平成9年に医療技術部リハビリテーションセンターとなり、現在は心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)、集団コミュニケーション療法料の施設基準を所得し理学療法士26名、作業療法士7名、言語聴覚士5名、看護師1名で急性期におけるリハビリテーションに取り組んでいます。

基本方針

  • 基幹病院として地域に貢献する医療を目指し、他の医療機関との役割分担を図り、病診連携の強化に努めます。
  • 地域の要望に応えられる医療技術を提供します。
  • 安全で良質な医療技術を提供するため、日々研鑽します。

スタッフ紹介

坪井英之
坪井 英之 部長
役職 副院長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
昭和55年
専門医資格(その他)
専門分野
鬼頭 晃
鬼頭 晃 脳神経外科部長
役職 脳神経外科主任部長
卒業大学名
医師免許取得年
信州大学
昭和54年
専門医資格(その他)
専門分野
中嶋義記
中嶋義記 小児科部長
役職 小児科主任部長
卒業大学名
医師免許取得年
愛知医科大学
昭和57年
専門医資格(その他)
専門分野
小林正明
小林 正明部長
役職 整形外科部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
昭和58年
専門医資格(その他)
専門分野
安藤守秀
安藤守秀 呼吸器科医長
役職 呼吸器内科部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
昭和61年
専門医資格(その他)
専門分野
三輪茂
三輪 茂 神経内科医長
役職 神経内科部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成元年
専門医資格(その他)
専門分野
鹿野博明
鹿野博明 小児科医長
役職 小児科医長
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
平成8年
専門医資格(その他)
専門分野
山下史匡
役職 神経内科医長
卒業大学名
医師免許取得年
山形大学
平成11年
専門医資格(その他)
専門分野
堀 紀生
役職 神経内科医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成11年
専門医資格(その他)
専門分野
太田宇哉
役職 第二小児科医長
卒業大学名
医師免許取得年
愛知医科大学
平成16年
専門医資格(その他)
専門分野
谷口顕信
役職 第二小児科医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成20年
専門医資格(その他)
専門分野
荒木恵介
役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
平成23年
専門医資格(その他)
専門分野
坪内希親
役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
平成24年
専門医資格(その他)
専門分野

延べ患者数(平成28年4月~平成29年3月)

外来
理学療法作業療法言語療法
脳血管疾患 3160 170 1043
廃用症候群 5 0 16
心大血管疾患 6552 - -
運動器 2314 3759 -
呼吸器 4657 249 -
摂食機能療法 - - 92
入院
理学療法作業療法言語療法
脳血管疾患 14992 12620 7150
廃用症候群 3457 962 269
心大血管疾患 8559 - -
運動器 16430 3392 -
呼吸器 18672 95 -
緩和 1093 344 22
摂食機能療法 - - 3277

平成28年度学術活動

学会発表

澤藤州康:当院の糖尿病教育入院に関わる理学療法士の現状と課題 第27回岐阜県理学療法学会
平山晃介:外来呼吸器リハビリを実施している患者への4m歩行試験の導入について ~検者内・検者間信頼性について~ 第3回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 東海地方学会
平山晃介:当院の外来呼吸リハビリテーションを継続しているCOPD患者の実態 第32回東海北陸理学療法学術大会
平山晃介:当院の外来呼吸リハビリテーションを継続しているCOPD患者の身体特性について ~身体組成に着目して~ 第27回岐阜県理学療法学会

座長

坂直之:一般演題③基礎2 第27回岐阜県理学療法学会
平山晃介:教育セミナー4 呼吸 第32回東海北陸理学療法学術大会

講演・シンポジスト

寺本佳津明:呼吸器疾患患者にどう向き合うか ~生活を支援するエキスパートとしての必要な支援とコツ~東海北陸作業療法学会
寺本佳津明:内部障害の作業療法 日本作業療法士協会 重点課題研修
菅田隆弘:摂食嚥下機能の評価・リハビリについて 大垣市歯科医師会在宅診療スキルアップセミナー

認定資格

認定理学療法士:坂直之(循環領域) 平山晃介(呼吸領域)
認定言語聴覚士:菅田隆弘(摂食・嚥下障害領域)

理学療法室(責任者:谷口陽吉)

理学療法とは?

 検査,測定/評価に基づき,何らかの疾病,傷害(スポーツを含む)などに起因する機能・形態障害に対する運動療法による筋力,関節可動域,協調性といった身体機能,および温熱,水,光線,電気などの物理療法による疼痛,循環などの改善を図る治療科学です。また能力障害が残ったとき,基本的動作や日常生活活動を改善するための指導,そして社会生活を送る上で不利な要素を少なくするための福祉用具の選定や住宅改修・環境調整,在宅ケアなどが含まれます。近年では,生活習慣病の予防,コントロール,障害予防も理学療法の対象になっています。(協会ホームページより)

 理学療法室では、脳血管疾患や運動器疾患だけでなく、呼吸器疾患・心大血管疾患、・小児に対して専門分野を設け、患者さんの要望に応えられる医療技術を提供しています。

運動器リハビリテーション

 整形外科医の指示に従い術後早期より全身状態に合わせて、リハビリを開始します。理学療法士、作業療法士は痛みの原因や関節可動域制限の原因、筋力を検査、評価し運動能力向上に努めます。
具体的には移動能力(歩行、階段昇降)、移乗(車椅子、トイレ)の獲得や、様々な日常生活動作の自立を目標に実施しています。
また、必要に応じて退院後の外来リハを行ない早期に受傷以前の機能を獲得出来るように努めて行きます。

運動器.JPG

脳血管疾患リハビリテーション

 当センターでは、脳血管障害、神経性難病、血液疾患に対し、十分なリスク管理のもと発症後早期は廃用症候群の予防や早期離床を目的に行い、離床後は活動性やADL向上を目的とした機能訓練や動作訓練を積極的に行っています。
  また、脳神経外科、神経内科、糖腎内科、血液内科では月1回リハビリテーションカンファレンスを実施し、医師・看護師・リハビリテーションスタッフらが対象症例に対してリハビリ内容の報告と治療方針の確認・変更などの話し合いを行っています。
  地域連携事業として医療・保健・福祉が協力できるよう地域連携パスの充実に努めています。

脳血管.JPG

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは?

 過去、心筋梗塞・慢性心不全・心臓血管手術後などの疾患をもつ患者さんは、安静が第一、運動は禁忌であると一般的に言われていましたが、今日では安静が心肺機能低下と筋力低下(廃用症候群)等を引き起こし、生活復帰を困難にしていると考えられています。米国では『心臓リハビリテーションとは医学的な評価、運動処方、冠危険因子の是正、教育及びカウンセリングからなる長期にわたる包括的なプログラムである。このグログラムは個々の患者の心疾患に基づく身体的・精神的影響を出来るだけ軽減し突然死や再梗塞のリスクを是正し動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転させ心理社会的ならびに職業的状況を改善することを目標とする。』
 米国医療政策研究局(AHCPR)の臨床診療ガイドライン(1995)と定義されています。当院心リハでは急性期から積極的に心機能の許す範囲内で運動療法を実施、そして運動だけではなく病気についての講義、栄養指導、服薬指導等にも積極的にアプローチしています。このような方法により自分自身の運動習慣、生活習慣を見直すことができ病気の再発予防と生活関連QOL(生活の質)を向上させることが可能となります。また一方で運動は自分なりの方法で行った場合、やり過ぎや誤った運動でかえって心機能を悪化させることがあります。「どのような運動をするのか」「どの程度の強さの運動をするのか」は運動負荷試験(トレッドミルによる心肺負荷試験)の結果をもとに専門医がわかりやすく説明します。その後も定期的に運動負荷試験を施行し心肺機能の改善度合いを評価して行きます。当院における外来心リハでは、毎回35名以上参加され、とても好評で皆さん仲良く楽しく運動を行っています。

準備体操 マシントレーニングとマット上全身調節運動
準備体操 マシントレーニングと
マット上全身調節運動
リハ開始
前 後

 図1 心リハ後の左心室機能の改善

心臓リハビリテーションの効果について(一般的には以下のような効果が証明されています。)
  1. 運動能力向上により楽に動けるようになります。
  2. 狭心症、心不全の症状が軽減します。
  3. 不安、うつ状態が改善し快適な社会生活を送ることができます。
  4. 動脈硬化の原因となる危険因子(高脂血症、糖尿病、肥満等)を是正します。
  5. 血管が自分で広がる能力(血管内皮機能)や自律神経の働きがよくなるとともに血栓ができにくくなります。
  6. 心筋梗塞の再発や突然死が減り死亡率が減少します。(3年間で約25%の死亡率が低下)

 当院の経験からも運動療法によって心臓の働きが全く正常に戻るわけではありませんが、図1の矢印に示すように壊死に陥っていない心臓の筋肉の働きはかなり改善します。また適切な運動と生活習慣を継続することによって動脈硬化の進行を予防し日常生活においては動作が楽になり、快適な生活を長く続けることが可能になります。図の円グラフは当院心リハ外来患者さんに5ヶ月後アンケート調査をおこない自覚症状の変化を記載しました。

図2 当院リハビリで良くなった点

図2 当院リハビリで良くなった点

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションとは?

 呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患・間質性肺炎・肺炎・誤嚥性肺炎などの患者様に対し①呼吸の改善(呼吸効率の改善、息切れの軽減)、②気道の浄化、③運動能力の拡大(活動性の低下を予防する)、④運動耐容能の増強を目的に、日常生活の自立や活動性の向上を目標に、入院では早期より毎日、外来では週に1~2回程度、実施しています。
  具体的には以下の様な内容となります。

呼吸法訓練
運動療法を行うためには欠かせません。換気量の増加、呼吸仕事量の軽減、呼吸困難感の軽減、呼吸パターンの改善、術後肺合併症の予防のために行います
胸郭の可動域訓練
胸郭の可動域制限が強いと、呼吸時のエネルギー効率を悪くし、呼吸に対する酸素消費量が増大してしまいます。そのため、胸郭の制限を改善し、柔軟性を増大させて呼吸効率を改善します。
呼吸介助、排痰介助
呼吸困難感の改善、換気量の増大のため行います。
自己排痰が困難な患者様に対し、体位排痰法、咳介助を合わせて排痰を促し、気道の浄化を図ります。
筋力強化訓練
動作時呼吸困難の軽減、運動耐容能の向上のため、主に重錘等の負荷を用い上下肢の筋力強化を行います。
歩行訓練
歩行時の呼吸困難の軽減、歩行距離の増大を図り、移動時の負担を減らしていきます。
エルゴメーター
自転車エルゴメーターを使用し、運動耐容能の向上を目的に行います。
エルゴメーター
日常生活動作法訓練
トイレ動作、整容、入浴時の呼吸困難軽減のため、動作時の呼吸法の訓練を行います。
詳細は作業療法紹介にて説明します。

 在宅生活において継続してリハビリを行って頂けるように理学療法士が直接指導致します。また月曜日の10:00~10:30は呼吸器科部長による呼吸器教室も実施しています。

急性期呼吸リハビリテーション

  • 呼吸リハビリチーム
    集中治療室、救命救急室に入室された患者さんに対し呼吸器科医を主体に専従理学療法士2名、主治医、看護師、臨床工学士など他職種との密接な連携のもとに呼吸・気道管理を早期から積極的に介入しています。チームとして活動し、急性期での包括的な呼吸リハビリテーションを展開しています。
  • 急性期呼吸リハビリの目的
    呼吸管理に関連した肺合併症の改善および臥床に伴う肺合併症の防止、円滑な呼吸管理の実施のためのサポート、早期離床を目的とし早期から介入することで肺合併症の発症率・死亡率を低下させるだけでなく早期回復につながります。

がんのリハビリテーション(緩和リハビリテーション)

 がんの進行による安静や治療に伴い筋力低下が起こり、さらにがん性疼痛や倦怠感などによる活動性低下から二次的にも体力低下が生じます。また、手術後起こりえる肺炎、抗がん剤や放射線療法による血球や電解質の乱れ、食欲低下などによる低栄養に陥る可能性があり、移乗動作や歩行、セルフケアなどのADL(日常生活動作)に制限を生じ、QOL(生活の質)の低下をきたすおそれがあります。これらの問題に対して、当センターでは前述のリスクに配慮しながら、術後、抗がん剤などの化学療法中や治療後、安静に伴う活動性低下による体力低下に対して、また終末期の時間を有意義に過ごすためのリハビリテーションを行なっています。
 がんのリハビリテーションでは、抗がん剤治療中や治療後の有酸素運動による体力の低下や副作用の軽減、肺がん・食道がんの周術期呼吸リハビリテーションの呼吸合併症の予防、乳がん術後の肩挙上範囲の拡大、生活満足度の向上など様々な報告があり、がん患者のADLやQOL向上のためにはリハビリテーションが効果的だと考えられています。また、AHCPR(米国医療政策研究局)のがん性疼痛ガイドラインでは運動療法の有用性が勧告されています。
 当センターでは、上記以外にも、主治医からの依頼だけでなく患者さんの希望に応じてや、緩和ケアラウンドにてリハビリテーション導入の検討を行い、より早くリハビリテーションが介入出来るようにしています。患者さんの病状は日々変化しており、回診やカンファレンスなどを行いスタッフ間で情報共有をして患者さんのneeds(要望)を十分に把握する様に心掛け、心理支持的な面でも携わらせていただけるよう努めています。

がんリハ.png

リンパ浮腫外来

 当院産婦人科では婦人科系の癌の術後、足の腫れが引かず悩んでおられる患者さんに対し、平成21年4月からリンパ浮腫外来を立ち上げました。当初は産婦人科医師1名と看護師1名で約100名の患者さんに週1回 14時から16時30分まで評価・治療を行っていましたが、平成24年から理学療法士が補助に入り、平成25年4月からは医師の指示のもと理学療法士2名が業務を引き継ぐことになりました。リンパ浮腫の重症度を評価し、その段階に応じた治療(弾性ストッキングを用いた圧迫療法)、リンパドレナージ指導などを行っています。

小児リハビリテーション

 発達に遅れがみられるお子様、一人ひとりに合わせた指導を行い、運動・感覚能力を育み、よりよい日常生活に結び付けようとするものです。
 当センターでは、脳性麻痺など生まれつき発達障害をもつ子どもや、脳炎・脳症によって後天性の脳損傷を持つ子どもに対してリハビリを行っています。
 早く生まれたお子様に対しては新生児集中治療室(NICU)入院時よりかかわり、超低出生体重児に対するフォローアップも行い、障害の早期発見に努め、療育施設や教育機関との連携を行っています。

小児リハビリ室

小児リハビリ室

作業療法室 (責任者:寺本佳津明)

作業療法とは?

 基本能力(運動機能・精神機能)、応用能力(食事やトイレなど生活で行われる活動)、社会生活適応能力(地域活動への参加、就労就学の準備)の3つの能力を維持・改善することを目的に行われます。また、環境の調整、社会資源の活用を促します。これらは、「作業活動」を媒介として行われ、その人らしい生活の獲得が目標になります。 [作業療法ガイドより]
 当院では作業療法士5名で、急性期において十分なリスク管理のもと、早期に廃用症候群の予防、離床やADL自立を目指して積極的な介入を進めていきます。主な対象疾患は整形外科(上肢の骨折、背髄損傷、関節リウマチなど)、内科(脳血管障害など)、脳神経外科(頭部外傷、脳腫瘍術後など)、呼吸器科(COPD、結核後遺症など)です。平成22年度よりがんのリハビリテーション(様々ながんの術後、化学・放射線治療中・終末期における緩和リハビリ)を実施しております。

作業療法実施の様子

指導内容
  • ADL獲得を目的とした環境整備を含むアプローチ(自助具の導入など)
  • 高次機能障害(半側空間無視や注意障害など)の有無や状態の把握と環境整備
  • 効率のよい介入方法の検討と家族指導
病棟指導
病棟指導その1 病棟指導その2 病棟指導その3
刺激の入りやすい非麻痺側からのアプローチで覚醒を促し意識の表出能力を探ります。またポジショニングにより安定した姿勢を提供します。 セラピストおよび本人の指を用いて脳への刺激を与えます。 バイタルサインの安定、神経症状の進行の停止、意識レベルがJCS10以上に清明という基準を満たせば坐位訓練を開始します。
病棟指導その4 病棟指導その5 病棟指導その6
作業活動風景(レザークラフト)活動を通じて巧緻動作や注意力の改善などを目的に取り組みます。 訓練室にての更衣動作
退院後自宅で着る服を、手順を確認しながら脱ぎ着する練習を行います。
徒手的アプローチ
骨折後の手関節の可動域制限に対して、徒手的手技を用いて可動域の改善を図ります。
身体機能面への働きかけ

 作業活動を通じて、実際の生活に必要な筋力、関節の動き、感覚機能などの維持・改善をはかると共にスムーズな動きや耐久性の獲得などを行います。

日常生活動作への働きかけ

 食事、更衣、排泄などの日常生活動作や家事について、その動作ができない原因を評価し、その人にあった適切な方法を患者さん・家族にアドバイスを行います。また、自宅に帰るために、住環境の調節や自助具の導入など提案します。

高次脳機能面への働きかけ

 交通事故や転倒、脳血管障害にて高次脳機能障害を呈した患者さんに対し、評価・検査を行い、患者様・家族に障害を自己認識して頂くよう促します。高次脳機能障害には注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害といった様々な病態があるため、それぞれの病態に適したプログラムを提案し、机上課題や日常生活課題を行い、日常生活動作が安全に、かつ円滑に行えるようにアドバイスします。

呼吸器疾患における作業療法

 エネルギー消費の少ない効率の良い動作や息切れの少ない動作の獲得によるADLの改善を目的に取り組んでいきます。日常生活動作(食事・更衣・トイレ・入浴など)においては以下のことに注意しながら評価・指導します。

  1. 呼吸法の指導・呼吸と動作との同調
    効率的な呼吸法に合わせてゆっくりと動作を行う、呼気にあわせて息苦しい動作を行う等
  2. 仕事量の調節
    単位時間あたりの仕事量を調節する、動作の簡略化を図る、動作の途中で休憩を入れる等
  3. 動作様式の変更
  4. 環境調整
    動線や家具の位置、家族の状況などを考慮して検討する

呼吸集団訓練.png

 入院中の呼吸器疾患患者さんに対して、病棟看護師、理学療法士、作業療法士が協力し、毎月1回集団呼吸教室を行っております。疾患に対しての理解の向上や患者さんとの交流の場となっています。病棟で行い、さまざまな職種のスタッフが一緒に取り組むことによってリハビリへの理解を促すことができます。

がんのリハビリテーション

 がんは長年、不治の病と考えられていたため、がん患者に対する作業療法は行われておりませんでした。しかし近年、早期発見が進み、治療成績も向上したことから、がんになっても、適切な治療を受けることによって、病気とうまく付き合っていけるようになりました。そうなると、「いかに、自分らしく生きていくか」に重点が置かれるようになります。
 当センターでは平成22年より「がんのリハビリテーション」を開始しました。私たちは普段の生活で、朝起きたら当たり前のように「顔を洗い」、「歯を磨き」、「箸を使って食事をする」。トイレに行ったら「用を足して、お尻を拭く」。着替えをするときは、「シャツを頭からかぶり」、「ボタンを留めて」「スカートやズボンのファスナーを締める」。風呂に入るときは、「浴槽をまたいで風呂の湯につかり」、「体や髪を洗う」。こうした「当たり前のこと」が、がんの病状の進行により出来なくなります。しかし、誰もが「身の回りの事は自分でやりたい。今までの仕事や趣味を続けたい。また家族旅行がしたい。」と願っています。そんな患者さんの希望に対して作業療法士は、退院後の家庭生活を考慮した身の回り動作の練習をひとつずつ行います。出来ない場合は他の方法を考えていきます。病気により抑うつ的な患者さんには心身のストレス軽減のため、集中して取り組める創作活動や楽しみながら行えるその方の趣味を生かした活動を提供しております。
 当センターでは最近、多くの診療科よりリハビリテーションの依頼が増え、平成24年度は180件以上に上りました。症状も複雑多岐に渡るようになりました。造血器がんなどの入院が長期化した方、骨転移で痛みが強い方、ターミナル期で在宅復帰を目指される方、抑うつ的で活動性が低下した方など、がんのリハビリテーションが必要な方が増えつつあります。
 がん医療は当院一丸となって取り組んでいる分野であり、当センターでは「病気が治る」だけでなく「病気と生きる」「その人らしさを取り戻す」関わりを心掛けています。

言語聴覚療法室 (責任者:菅田隆弘)

言語聴覚療法とは?

 言語聴覚療法とは、言語聴覚士(ST:Speech -language-hearing Therapist)が行うリハビリテーションのことをいいます。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築、獲得できるよう支援する専門職です。また摂食・嚥下(えんげ:飲み込みの障害)の問題にも対応しています。
 ことばによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症・運動障害性構音障害、ことばの発達の遅れ、発声や発音の障害など多岐にわたり、小児からご高齢の方まで幅広く現れます。言語聴覚士はこのような問題に対して検査・評価を実施し、必要に応じて訓練・指導、助言、その他の援助を行います。円滑に日常生活を送り、コミュニケーションの楽しさと希望のある生活を取り戻せるように支援します。

当院での言語聴覚療法

 言語聴覚士の治療・訓練は4つの個室にて行っています。これは、ことばがうまく話せなくなったり・使えなくなった方の心理的ストレスは相当なものであり、そのような状態でも周りを気にせずに、集中し訓練をしていただく為です。
また、訓練中は患者様と一対一になることが多く、訓練・指導の場ということだけでなく、信頼して何でも話していただけるような安心できる空間・時間でありたいと思っております。

  • 小児から成人まで行っています
  • 脳卒中、くも膜化出血、脳腫瘍、脳炎、頭部外傷、脳性麻痺等による言語障害(失語症、運動 障害性構音障害)、嚥下障害、高次脳機能障害
  • 発音が上手くできない、ことばの遅れがある、読み書きがにがて等のことばの障害
  • 喉頭を摘出した方の発声障害
  • 頭頚部耳鼻咽喉科にて聴力検査(聴力・聴覚)、補聴器外来の実施
  • 知能検査や発達検査、認知症検査も行っています
  • 院内NST(摂食嚥下障害対策チーム)の一員として活動しています
訓練・指導・検査の様子
失語症(ことば)の訓練をしています 嚥下障害(飲み込み)の訓練をしています
失語症(ことば)の
訓練をしています
嚥下障害(飲み込み)の
訓練をしています
発音の訓練をしています 聴力検査の様子です
発音の訓練をしています 聴力検査の様子です

看護師の役割

 午前中は診療の介助を中心に行い、動きの不自由な患者さんが多いので事故のないように細心の注意を払い、患者さんの回復意欲へとつながることを願いながら介助にあたっています。
 月・水・金の午後からは外来心臓リハビリテーションにおいてバイタルチェックを行い、円滑に運動ができるようにサポートすると共に、体重測定や腹囲測定、生活状況などを把握し改善点をアドバイスしています。