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循環器内科

循環器内科の紹介

 当院の救急外来を受診される患者さんの数は全国でも有数であります。その中でも循環器領域の救急疾患は、心筋梗塞をはじめとして、救命あるいは退院後の生活の質を確保するためにできるだけ早期の治療が重要であり、治療開始まで一分一秒を争います。私たち循環器科は、胸部外科、コメデイカルとの円滑な連携のもと24時間体制で科学的な根拠にもとづいた最新の急性期医療を提供しています。また、急性期を乗り越えた患者さん、あるいは生活習慣がもととなった慢性疾患の患者さんにたいしては、カテーテルによる冠血管、末梢血管治療(四肢、頸動脈、腎動脈など)、カテーテルによる不整脈治療、ペースメーカーを用いた心不全治療、心臓リハビリーテーションなど、きめの細かい、継続的な医療を提供しています。

  

最新トピックス

 中日新聞 「 LINKED 」 病院を知ろう (森島逸郎医師 が紹介されました)

 TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)治療を開始しました

 中日新聞 「 LINKED 」 病院を知ろう (高木健督医師 が紹介されました)

 TAVI(大動脈弁狭窄治療)のお知らせ (20症例終了しました)

基本方針

  • 世界基準の最新医療を提供します。
  • 急性疾患に対しては24時間体制で、時機を失することなく対応します。
  • 急性期から慢性期まで、連続的で、きめの細かい医療を提供します。
  • 看護師をはじめとしたコメデイカルとの良好なチームワークのもとに、全人的で満足度の高い医療を提供します。

スタッフ紹介

坪井英之
坪井英之 循環器科部長
役職 部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
昭和55年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定内科専門医、指導医)
日本循環器学会(専門医)
日本高血圧学会(指導医)
日本集中治療学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会
(専門医)
心臓リハビリテーション(指導士)
日本医師会(認定健康スポーツ医)
日本不整脈学会ICD・CRT治療認定医
名古屋大学医学部臨床講師
専門分野 心不全
心臓リハビリテーション
循環器一般
森島逸郎
森島逸郎 循環器科医長
役職 部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成3年
専門医資格(その他) 日本内科学会認定内科専門医、指導医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
日本不整脈学会ICD・CRT治療認定医
日本医師会認定産業医
日本不整脈学会・日本心電学会認定 不整脈専門医
専門分野 不整脈治療
循環器一般
森田康弘
森田 康弘.JPG
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成13年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定医)
日本循環器学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会
(認定医)
専門分野 虚血性心臓病治療
循環器一般
髙木健督
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成14年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定医)
日本循環器学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会(専門医)
専門分野 虚血性心疾患
大動脈弁狭窄治療(TAVI
大動脈瘤ステント治療
吉田路加
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成16年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定医)
日本循環器学会(専門医)
日本心血管インターベンション治療学会 (専門医)
腹部ステントグラフト (専門医)
専門分野 虚血性心臓病治療
循環器一般
永井博昭
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成18年
専門医資格(その他)
専門分野
猪飼佳弘
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成21年
専門医資格(その他)
専門分野
古井宏一
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
平成22年
専門医資格(その他)
専門分野
都築一仁
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
平成23年
専門医資格(その他)
専門分野
吉岡直輝
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
平成23年
専門医資格(その他)
専門分野

手術症例

学会発表

2014年2013年2012年2011年2010年
国内学会発表 30 22 29 33 35
国際学会発表 4 3 3 2 1
論文(原著含む) 6 1 4 0 3

I. 虚血性心疾患

虚血性心疾患とは

 心臓の筋肉に血液を供給する栄養血管を冠動脈といい、右冠動脈と左冠動脈(左前下行枝と左回旋枝)の3本があります。この冠動脈が細くなること(狭窄)によって、心臓の筋肉への血液供給が不足すると胸痛を生じ、これを狭心症といいます。冠動脈が閉塞すると、血液の供給が途絶された心臓の筋肉は壊死を起こし、これを心筋梗塞といいます。これらを総称して虚血性心疾患と呼んでいます。

急性心筋梗塞とは

 冠動脈が突然閉塞し急速に心筋壊死を起こします。多くの患者さんは激しいまたは持続する胸痛を生じ、血圧が低下したり脈が乱れるなど生命にかかわる状態に陥ります。そのため一分一秒でも早く、閉塞した冠動脈を再開通させることが重要となります。
当院では365日24時間いつでも心臓カテーテル検査および治療ができる体制が整っていますので、このような患者さんに対して迅速な対応が可能です。経皮的冠動脈インターベンションによる再開通治療時には、末梢保護デバイスおよび血栓吸引治療を原則全例に併用することで、より質の高い再灌流療法を心掛けています。
当院では名古屋大学や国立循環器病研究センター等の心筋梗塞登録研究に参加しており国内外への最新情報発信を行っています。

経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention; PCI)

 狭窄または閉塞した冠動脈を拡張することにより、心筋への血流を改善する標準的治療です。手首の橈骨動脈または足の付け根の大腿動脈からカテーテルを心臓の冠動脈まで挿入して、このカテーテルを通して治療を行うという低侵襲の治療方法です。方法は、ガイドワイヤーという細い針金を冠動脈内に挿入し、これに沿わしてバルーンというビニール製の風船で病変部を拡張し、最終的にステントというメッシュ状の金属製チューブを血管内に留置します。
当院では、経皮的高速回転アテレクトミー(通称ロータブレーター)の認定施設であり、高度に石灰化した冠動脈に対しても対応可能です。また慢性完全閉塞病変(Chronic Total Occlusion; CTO)や左冠動脈主幹部病変などの複雑病変に対しても積極的にPCIを行い良好な成績をあげています。
当院におけるPCI施行症例数は、全国でもトップクラスを誇っています。また、日本心血管インターベンション治療学会研修施設として認定されています。
*CAG説明・同意文書
*急性心筋梗塞に対するPCIの説明・同意文書
*PCI説明・同意文書

PCI_2015.jpg

大動脈バルーンパンピング(Intra-Aortic Balloon Pumping; IABP)

経皮的心肺補助装置(Percutaneous Cardio-Pulmonary Support; PCPS)

 心臓がポンプとして十分機能しなくなった場合に緊急で用いる機械的な心臓補助装置です。とくに経皮的心肺補助装置という人工心肺システムは、従来救命が困難であった各種致死的病態(心原性ショック、難治性心室頻拍・心室細動、重症肺塞栓症、劇症型心筋炎)において劇的な効果をあげています。私達は、全国に先駆けてこのシステムを導入しており、世界初の劇症型心筋炎の救命例は当科から生まれています。

心臓MDCT(Multi-Detector Computed Tomography)

 CT検査とは、コンピューターを用いてX線により身体の断面像を撮影する方法です。多列化により断面像を3Dに構築して立体的に画像を構成することが出来るようになり、これにより頭から足の先まで全身の血管を描出することが可能となりました。
当院では、従来の16列MDCTに加えて、2008年12月より新たに最新型64列128スライスMDCT(シーメンス社、SOMATOM Definition AS+)を導入することにより、これまでは動きが激しいために描出が困難であった冠動脈をより鮮明に描出可能となり、非浸襲的に冠動脈病変診断が可能となりました。また撮影時間が短くて済むために、検査時間の短縮・被爆量の軽減が得られます。心臓カテーテル検査に取って代わる検査ではありませんが、動脈硬化危険因子を多く持つ患者さんや狭心症が疑わしい患者さんにとって、カテーテルを体内に挿入することなく冠動脈疾患をスクリーニングできる、負担の少ないやさしい検査です。

II. 不整脈

不整脈とは

 心臓は、通常、規則的なリズムで動いています。そして、休んでいるときにはゆっくり、運動時には速くというように、体に合わせて速さも調整しています。不整脈とは、このような正常なリズム(正常洞調律といいます)とは異なる状態を指します。すなわち、突然速くなったり、遅くなったり、不規則になったりなどです。症状も多様で、本人も気付かず放置しておいても問題ないものから、動悸で日常生活を著しく制限するもの、失神や突然死に至るもの、脳梗塞をおこすものなどあります。また、同じ不整脈でも患者さんによって自覚症状が大きく異なることも珍しくありません。私たちは、患者さんそれぞれの症状や心臓の状態に応じて、薬による治療や、カテーテルアブレーションによる根治療法、ペースメーカー等の植え込みを提示し、患者さんと一緒になって治療を進めています。

A. 経皮的カテーテル心筋焼灼術 (カテーテルアブレーション)

 不整脈の根治療法です。局所麻酔で血管から直径2mm程度のカテーテルを心臓内に進め、不整脈の原因部位に熱を加えることにより、不整脈の原因を取り除く手術です。WPW症候群、発作性上室性頻拍、心房粗動、心房細動、心室頻拍などが対象となります。私達は、1993年よりこの治療に取り組んできており、2011年5月現在、1,200例を越える手術件数となっています。高周波カテーテルアブレーションのメリットは根治療法であるため、治療後に多くの方が薬を飲む必要がなくなり、快適な生活を送れることです。近年、心房細動のカテーテルアブレーションも積極的に行っており、現在までに300例を超える手術件数となっております。また、2010年から3次元ナビゲーションシステム(NavXシステム)先端電極冷却機能付きアブレーション・システム(イリゲーション・システム)を導入しました。新しいシステムにより手術時間の短縮、安全性の向上、より高い手術成功率が得られています。

 カテーテルアブレーション
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3次元ナビゲーションシステム(NavX Velocityシステム)

 カテーテルアブレーション治療を行う際に、治療用カテーテルが心臓のどの部位に位置するか3次的に表示するシステムです。不整脈回路を3次元的にカラー表示することができ、従来の方法では困難であった複雑な不整脈の診断が可能となり、治療することができます。特に当院で採用した新しいNavX Velocityシステムでは、心臓内に置いた多数の電極の位置を同時に表示可能で、より効率的に安全に治療を行うことができます。

NavX Velocityシステム Non-contact mappingモード

 また、バルーンを用いたNon-contact mappingモードで不整脈の仕組みを1拍の不整脈からバーチャルに表示する機能もあり、長く続かない不整脈や、回路が一定しない複数の不整脈の診断、治療に効果を発揮します。さらに、レントゲンを用いることなくカテーテルの位置が分かるので、手術に伴う患者さんや術者のレントゲン被爆を最低限に軽減する効果もあります。

先端電極冷却機能付きアブレーション・システム(イリゲーション・システム)

 高周波アブレーションカテーテルの先端付近に小孔を設け、そこから生理食塩水を流して先端部分を冷却しながら高周波通電を行うシステムです。従来のアブレーションカテーテルに比べて、より心筋の深い部位まで焼灼することができます。また、焼灼中に血栓が形成されるのを予防することが可能となります。治療成績を高めるだけでなく、高い安全性を確保することができます。

先端電極冷却機能付きアブレーション・システム
冷凍凝固アブレーションシステム(Cryoバルーンシステム)

 冷凍凝固バルーンアブレーションはN2Oガスを利用して冷凍することにより、やけどを作ります。バルーンを静脈の入口に密着させて冷やすことにより、一度に静脈1周分のブロックが作れるメリットがあります。そのため術者による治療成績のばらつきを抑えることが出来、さらに一度に治療できる範囲が広いため、術時間の短縮が見込まれます。

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B. デバイス治療

 心臓に植え込む器械(デバイス)を用いた治療です。
ペースメーカーは、心臓のリズムが非常にゆっくりとなり、このため意識を失ったり、めまいや全身倦怠感といった症状を伴う場合に用いられます。洞不全症候群、完全房室ブロックなどが代表的な疾患です。
植込み型除細動器(ICD)は、ペースメーカー機能に加え、心室細動、心室頻拍といった瞬時に生命に関わる重症の不整脈の治療目的で用いられます。当院は、植込み型除細動器(ICD)移植術の施設基準を満たした認定施設です。
さらに、2004年からは、心筋梗塞や拡張型心筋症など心臓のポンプ機能が損なわれた重症の心不全に対して、両室ペースメーカーによる心臓再同期療法を行っています。当院は、心臓再同期療法(両心室ペースメーカー植え込み術)の施設基準を満たした認定施設です。

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C. 不整脈外来

 月曜日・木曜日 受付午前8時00分~11時00分
動悸でお困りの方、検診で不整脈を指摘された方などが対象です。

D. ペースメーカー外来

 火曜日午後第2診察室。完全予約制です。
ペースメーカー、ICD、CRTD手術を受けた方の専門外来です。

New III. 大動脈弁狭窄症治療

 心臓には4つの部屋があり、各部屋の出口には血液が逆流しないように「弁」がついています。このうち、左心室と大動脈の間にある大動脈弁といいます。この大動脈弁が硬くなり動きが悪くなることで、十分な量の血液が心臓から全身に送り出すことができなくなる病気を、「大動脈弁狭窄症」といいます。進行すると、主に胸痛、息切れ、失神などの症状が現れ、その後数年で心臓機能が弱り、場合によっては死に到る病気です。

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 これまで、外科手術(人工弁置換術)が効果的な治療とされていました。しかし、体にメスを入れる開胸手術となるため、高齢者や持病のある方への負担や合併症などのリスクが高く、手術を断念するケースが少なくありません。そこで、新しい治療法として期待されているのが、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療術)です。

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 TAVIとは、「経カテーテル大動脈弁治療術(Transcatheter Aortic Valve Implantation)」、略してTAVIと呼ばれます。米国では、「TAVR:経カテーテル大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Replacement)」と呼ばれており、日本でも使用される事があります。胸を開かず、また、心臓を止めることなく、「人工弁」を患者さんの心臓に装着することができる治療法です。2002年にヨーロッパで最初の治療が行われ、ヨーロッパと北米を中心に、これまで10万人以上の方に治療が行われています。日本においても、2013年10月より 保険内での治療が可能になり、2015年7月までに2000人以上の方が治療を受けたと報告されています。

 TAVIにはカテーテル治療専門医、心臓外科専門医、イメージング専門医、麻酔専門医やその他コメディカルなどからなる強固な「ハートチーム」の形成が必要不可欠です。当院では2年前からこの治療に対して準備を行っており、心臓内科医、胸部外科医を中心に、麻酔科医、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師、理学,作業療法士、看護師 等、総勢20名でハートチームを結成しています。TAVI認定施設の中では後発となっていますが、保険承認直後から新東京病院でTAVI治療を立ち上げ、メインオペレーターとして携わった髙木医師を中心に高いレベルの医療を提供しています。

 当院は、すべての診療科(呼吸器内科、消化器内科、神経内科、糖尿病腎臓内科、血液内科、総合内科、外科、整形外科、形成外科)が揃う総合病院であり、包括的な医療を提供できることが、大きな強みとなっております。TAVIの対象となる患者さんは、併存疾患(COPD、糖尿病、脳梗塞等)がたくさんあるので、すぐに専門医に相談出来る事は、非常に大切だと考えられます。

 大動脈弁狭窄症は、日常生活が制限される事が多い、大変つらい病気です。今までは、手術リスクが高いといわれ手術に踏み切れなかった方、胸をあける事に抵抗があり手術を躊躇されていた方にも、身体に大きな傷を付ける事なく治療が可能になりました。
 TAVIにより、症状が劇的に改善される事が多く、再び自立した生活を送る事ができるようになります。
 当院を受診した患者さんにとって、最適な治療方法やタイミングを選択し、元気に歩いて帰ることができるよう、患者さん、家族の方と共に全力で取り組んでいきます。ご相談だけでも、紹介状無しでも、対応可能ですので、お気軽に受診ください。

弁膜症外来(髙木3診) 金曜午後 14時から
(学会で不在の時がありますので、電話で確認ください)
0584−81−3341 循環器外来 弁膜症外来

担当医師
循環器内科 髙木健督
胸部外科 横山幸房

Q. TAVI治療はだれでも受ける事ができますか?
A. 下記の条件または、高齢の方(原則80歳以上)が対象になります
•他院にて外科手術リスクが高いと診断された方
•過去に開心手術を行った方(バイパス、弁置換術)
•胸部に対して放射線治療の既往のある方
•呼吸器疾患を合併している方(肺気腫、間質性肺炎)
•肝硬変等の肝機能障害がある方
•体力の弱っている方
•悪性腫瘍を合併している方

Q. TAVI治療はどんな感じで治療しますか?
A. TAVIには下記2つの治療方法があります。
①経大腿アプローチ:足の付け根(鼠径部)より治療を行う方法
②経心尖アプローチ:心臓の先端部から直接治療を行う方法
詳細は下記ホームページを参照して下さい。
http://taviwebjp.azurewebsites.net/institutions/index.html

Q. 心臓弁膜症の治療(大動脈弁狭窄症やTAVI治療を含む)についての相談先・外来はありますか?
A.外来受診をご案内しております。
■外来受診のご予約:TEL:0584-81-3341 をダイヤルし、「循環器内科 弁膜症外来の予約で」とお伝えください。
(診療日: 金曜午後)
※対応時間 月曜日~金曜日 午前 8時30分 ~ 17時15分

Q. 心臓弁膜症の治療(大動脈弁狭窄症やTAVI治療を含む)についての相談は紹介状必要でしょうか?
A. 紹介状があるとよりスムーズですが、紹介状なしでも対応可能です。

Q. 実際の治療までのスケジュールはどうなっていますか?
A. TAVI治療の前に、必要な検査が2つあります。造影CTと心臓カテーテル検査です。どちらも1泊2日から可能ですので、患者様の状態に応じて検査を予定します。その後、治療の日程を、症状に合わせて調整させて頂きます。

Q. 入院期間はどのくらいですか?
A. 個人差がありますが、順調に経過した場合には リハビリを含めて入院から退院までは10日~2週間程度になります。リハビリが必要な場合は、1〜2週間リハビリをする事も可能です。

Q. 遠方からなのですが、当日入院は可能でしょうか?
A. 患者様、ご家族の負担が大きいときは、当日に検査入院も可能ですので、ご相談ください。

Q. TAVIの治療費はどれくらいかかりますか?
A. 2013年の10月より、TAVI治療が健康保険の適用となりましたので、70歳以上であれば、一般的には4〜5万円に収まる事が一般的です(所得により異なる場合、月をまたぐと異なる場合があります)。

Q. 治療による痛みはありますか?
A. 手術は全身麻酔で行いますので、痛みはありません。 術後に経大腿アプローチの場合は足の付け根、経心尖アプローチの場合は左側胸部の手術創部が痛むことはありますが、鎮痛薬を用いて最小限にするよう心がけています。

Q, 希望すればTAVIを受ける事ができますか?
A. 治療の基本は外科手術であるため、ただ単に「手術が嫌だ」と言う理由では治療を受ける事が出来ません。TAVI 治療の必要性につきましては、当院の専門の医療チームで判断致します。詳しくはTAVI対象患者を参照ください。

Q. TAVIが受けられないのはどのような場合ですか?
A. 人工透析を受けている方、過去に大動脈弁狭窄症に対する外科手術を行われた方、併発する病気のため余命が長くないと考えられる方は、現在TAVI治療を受けられません。また、CT評価を行った結果、石灰化が強いために合併症が発生する確率が高くなり、安全にTAVIを行う事が難しいと判断され、断念するケースもあります。

Q. TAVI認定施設は他にどこがありますか?
A. 施設認定を受けた医療機関は、下記ホームページに実施施設として掲載されています。
http://j-tavr.com/facility.html

Q. TAVIの情報サイドはありますか?
A. TAVIに関する情報の詳細はこちらのサイトにも掲載されております
心臓弁膜症について http://www.benmakusho.jp/
TAVIについて http://tavi-web.com/

TAVI(大動脈弁狭窄治療)のお知らせ

 2015年12月から始まった大動脈弁狭窄症に対するTAVIは、現在までに20症例終了しました。全症例において合併症なく退院しております。また、大腿動脈アプローチのTAVIについて、施設として独立する事ができました。今後は、治療が必要な患者様に対して迅速に治療を行う事ができるようになります。 また、2016年7月に当院の髙木健督が岐阜県初のTAVI指導医(プロクター)に認定されました。今までの治療経験を東海エリアだけでなく、国内の患者様に還元できるよう活動していきます。http://www.project-linked.jp/?p=36627 大動脈弁狭窄症でお困りの患者様は、循環器外来(水曜・金曜)までご相談ください。

IV. 末梢血管治療

 最近は日本でも食生活の欧米化等により肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の方が増え、これに伴い全身の動脈硬化性疾患が増加しています。動脈硬化が脳血管におこれば脳梗塞、心臓であれば狭心症、心筋梗塞を発症します。大動脈では大動脈瘤になり破裂するとかなりの確率で死に至ります。下肢動脈では閉塞性動脈硬化症といい、歩行時のだるさ、痛みで発症し重症化すれば壊疽となることもあります。これらの疾患の怖いところは、それぞれが他の動脈硬化性疾患を高率に合併することにあります。例えば腹部大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症の1/3~1/2の方には狭心症、心筋梗塞を合併するといわれています。逆に狭心症、心筋梗塞の1/4の方に閉塞性動脈硬化症を合併するといわれています。動脈硬化疾患の方の多くが心脳血管疾患でお亡くなりになります。このため一つでも動脈硬化性疾患をお持ちの場合、全身の動脈硬化の状態を正確に評価し、異常があれば初期の段階で適切な対処を行うことが必要となってきます。循環器内科では動脈硬化外来を併設し大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、頚動脈狭窄症など全身の動脈硬化性疾患の早期診断、治療を行っております。

腹部動脈瘤

腹部動脈瘤について

通常、お腹の中の大動脈の太さは2cm以下ですが、動脈硬化等の影響により太くなったものを腹部大動脈瘤といいます。ある程度の大きさになれば、お腹の拍動性腫瘤に気づくこともありますが、自覚症状を認めず超音波やCT検査で偶然見つかることも少なくありません。破裂すると多くの方がお亡くなりになるため、ある程度の大きさで治療が必要となります。大動脈瘤は一旦形成されると小さくなることはありません。血圧に対する内服治療でも大きくなる速度を遅くすることが可能です。しかし5cm以上の大きさになると破裂の危険性(瘤径5cm台で年間5~10%の破裂)が高くなるといわれており注意が必要です。多くの施設が男性5cm、女性4.5cm以上の大きさになった場合に治療を行うことが一つの基準となっています。
治療について:腹部動脈瘤に対して今までは開腹手術が主流でしたが、現在はより低侵襲のステントグラフト(ステントという金属の網に、人工血管を縫いつけたもの)による治療が可能となっております。ステントグラフト内挿術を実施するには技術、経験などからステントグラフト実施基準管理委員会により施設、術者が認定される必要があります。循環器内科でも2009年に承認され、心臓血管外科(胸部外科)との協力のもと施行しております。ステントグラフト内挿術の場合は、両足の付け根を4~5cm切開することで治療が可能となり、体に対する負担を少なくすることが出来ます。高齢者や合併疾患により開腹手術の危険性が高い方に適しています。入院日数も通常、数日と短期間で済みます。開腹手術、ステントグラフト内挿術には、それぞれメリット、デメリットがあり循環器内科、心臓血管外科で相談し、患者様に適した治療法をご提供いたします。


ステントグラフト

 実際に当院でステントグラフト内挿術を施行した症例です。83歳とご高齢で、心筋梗塞の既往もありステントグラフト内挿術を施行いたしました。治療後の写真では動脈瘤が造影されていません。


A )治療前:腹部大動脈瘤を認めます。

B)ステントグラフト内挿術後

頚動脈狭窄症

頚動脈狭窄症について

脳内へ血液を送る非常に重要な血管が頚動脈です。この頚動脈にコレステロールがたまり脳への血液の流れが悪くなる病気が頚動脈狭窄症です。症状としては、麻痺や言語障害(ろれつが回りにくくなる等)、片方の眼が黒くみえなくなる等の症状が24時間以内に改善する一過性脳虚血発作と後遺症を残す脳梗塞に分かれます。このような方の20~30%に頚動脈狭窄症を認めるといわれています。無症状で偶然に発見されることも少なくありません。
治療について:通常は血液の流れを良くする薬物療法を基本としますが狭窄率が高くなる程、脳梗塞を発症する危険性が高くなり、侵襲的な治療が必要となります。今までは外科的手術が多くなされていましたが、平成20年から頚動脈ステント留置術が保険適応となり循環器内科でも脳神経外科医の協力のもと治療を行っております。
この治療法も足の付け根からカテーテルを挿入し、狭窄部位にステントといわれる金属の網を入れます。このため外科的治療に比べ体に対する負担、入院日数も少なく済みます。ステントを入れ風船で狭窄部位を拡げることによりコレステロールの塊が血流に乗り脳内へ飛んで脳梗塞を発症する危険性があります。このため他のカテーテル治療とは異なり治療時にはこれを予防するフィルターか風船を入れコレステロールの塊が脳内へ飛ぶことを防ぎます。


頚動脈用ステント
脳梗塞予防用のフィルター

 実際に当院で頚動脈ステント留置術を施行した症例です。脳梗塞を発症され、検査の結果右頚動脈狭窄症と診断されました。狭心症、心不全の既往もあり頚動脈ステント留置術を施行いたしました。


A)頚動脈狭窄

B)ステント留置後、良好な血流が得られています。

閉塞性動脈硬化症

症状と診断について

閉塞性動脈硬化症は初期の場合は無症状のこともありますが、病状の進行とともに歩行時のふくらはぎの痛みが出現します。さらに進行すると安静時にも痛みが出現、潰瘍、壊疽といった重症虚血肢といわれる状態になります。最近増加している糖尿病の方では自律神経障害の為、足の痛みに対して鈍くなっているため、初期の状態では気付かずカイロ、こたつ等による低温熱傷などから潰瘍、壊疽へと進行し初めて発見される方も増え糖尿病の方は症状がなくとも定期的な検査が必要です。また下肢の症状は整形外科的疾患を間違われることも少なくなく、整形外科を通院されても症状が改善されない方も検査を受けることをお勧めします。診断にはABIといって腕の血圧に比べ足の血圧がどのぐらい低下しているかを測定し血管のつまり具合を検査します。ABIで異常があった方には血管超音波、CT検査等を施行してどの場所に異常があるか調べ治療方針を決定します。

治療について

通常は薬物投与を基本とし、リハビリ室において運動療法(週2~3回)も行っております。症状の改善がない場合にカテーテル治療を考慮します。カテーテル治療は、足の付け根もしくは腕の動脈から2~3mm程度の太さのカテーテルを挿入し、バルーンによる拡張を行います。必要に応じステントとよばれる金属の網を留置します。現在、手技の向上によりほとんどの場合、手技時間を1~2時間程度と患者様に対する負担を少なく治療を行うことが可能となっています。

下肢血管用ステント
A)右総腸骨動脈に狭窄、
左総~外腸骨動脈に
完全閉塞を認めます。
B)カテーテル治療(ステント留置)後、
良好な血流が得られています。

重症虚血肢

A)左第1趾に難治性潰瘍を認めます。 B)カテーテル治療後、傷は治癒しています。

 安静時疼痛、潰瘍、壊疽をきたす状態では放置した場合、多くの方が下肢切断や感染症などから致命的な状態となります。重症虚血肢に対しては薬のみの治療では効果が乏しく、数日で完全に足が腐ってしまうこともあります。このため早期の血流再開が必要となります。さらに患者様の全身状態が不良なことも少なくないため外科的バイパスよりも体に対する負担が少ないカテーテル治療を第一選択とし可能な限り早期に行います。さらに潰瘍、壊疽をきたしている方に対しては血管だけでなく傷に対する治療も同時に必要となります。今まで各科ごとに診断、治療を行ってきましたが、より有効で効率的に診断、治療を行うため創傷外来(火曜午後)を開設し、形成外科、循環器内科、整形外科、血管外科等協力し集学的治療を行っております。

A)左腎動脈狭窄 B)ステント留置後、良好な血
流が得られています。

動脈硬化性腎動脈狭窄

 糖尿病末期腎不全の20~40%、高血圧症の数%に合併しています。とくに複数の降圧剤を内服されている方、治療を受けていても不安定な方、腎機能障害を合併されている方は、一度は検査が必要です。

頚動脈狭窄症

 虚血性脳卒中の方の20~30%に頚動脈狭窄症を認めます。今までは外科的手術が多くなされていました。平成20年から頚動脈ステント留置術が保険適応となったため、当科でも脳外科の協力のもと積極的に治療に取り組んでいます。

A)頚動脈狭窄 B)ステント留置後、良好な血流
が得られています。

 当院では年間150例以上の末梢血管治療を行い、重大な合併症なく良好な治療成績を得ています。

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V. 心臓リハビリテーション

 私たちは、平成18年11月に心大血管疾患リハビリーテーション施設基準(Ⅰ)を取得し、急性期、回復期、維持期の各段階に応じた包括的心臓リハビリテーションを実施しています。詳しくは、リハビリテーション部門を参照してください。

和温療法

 和温療法とは、心身を和ませる温度(60℃)で全身を15分間均等加温室で保温し、深部体温を約1.0~1.2℃上昇させた後、さらに30分間の安静保温で和温効果を持続させ、終了時に発汗に見合う水分を補給する治療法です。その作用機序は 1)温熱性に血管が拡張することから、血液が流れやすくなり心臓からの血液拍出量が増加する。2)血管内皮から血管拡張作用のある一酸化窒素(NO)の合成、分泌が増加する。3)自律神経系を安定させ心身をリラックスさせる。ことなどです。
次に和温療法がどのような患者さんに有効かといえば 1)お薬の効きにくい(点滴などからなかなか離脱できない)難治性の心不全、2)潰瘍が治りにくい重症な閉塞性動脈硬化症、3)唾液や涙が出にくくなるシェーグレン症候群、4)通常の疲労とは異なる強い疲労が半年以上続き、日常生活にも支障をきたす慢性疲労症候群などの患者さんに有効です。
またこの治療法は、従来の治療法とは異なり、患者さんに苦痛を与えることなく、かえって爽快感をあたえ、同時に治療効果もあげることが可能な、いままでにない画期的な治療法です。
和温療法は鹿児島大学の鄭教授らにより開発されましたが、当科でも、本治療法のユニークな特徴に注目し、平成20年7月から導入しました。現在上記の適応の入院患者さんに施行し、多数の有効例を経験しています。

和温療法による心の変化(22名の患者さまのアンケート調査結果)

和温療法施行風景

 和温療法施行風景

当科における和温療法による自覚的な心不全重症度の改善(重症4から軽症1まで重症度を4段階に分類)

 当科における和温療法による自覚的な心不全重症度の改善
(重症4から軽症1まで重症度を4段階に分類)