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通院治療センター

通院治療センターの紹介

「通院治療センター」は「外来化学療法」を安全かつ適正に管理・治療を行う部署です。
がん治療には現在、手術・化学療法(抗がん剤治療・がん薬物療法)、放射線治療の3本の柱があります。このうち、化学療法(がん薬物療法)を自宅での生活や仕事(ワークライフ・バランス)を重視して外来で行うのが、通院治療センターの役割です。
かつて、化学療法は入院で治療することが主流でしたが、わが国でも、欧米と同様、副作用が軽減化された抗がん剤の開発や化学療法を支える支持療法(吐き気を抑えるくすりや白血球の数を維持する薬剤)などの安全管理法が発達し、外来で90%以上の化学療法を行うことが主流となりました。また、通院治療センターのような外来化学療法部門の管理体制(専門医および認定医・専門薬剤師・専門および認定看護師)を支える要素として、人的配置や組織体制、治療プロトコールの病院常任登録制、治療内容の事前監査体制などのマネージメント法が確立し、開設されたわけです。
当院の通院治療センターは全国あるいは東海地区でも、その病院診療実績数に比例した、30床という最大級の部門として発足し、10年近くで利用患者数は2.5倍になっています。
我が国の人口構造の高齢化へのシフトとともに、がん罹患患者数の増加に合わせて、治療需要に応えられる体制を維持し続けています。
以下に解説されるような体制を参考になさって、安心して受診ください。

通院治療センターでのベッド

薬剤指導室

薬剤指導室ではがん専門薬剤師が抗がん剤、および副作用を軽減させるための薬剤の説明を行います。医師と薬剤師という専門性の異なる分野から患者さんのケアを行うことで患者さんの不安が少しでも解消されることを願っています。

診療担当医師

曜日
午前 金岡 祐次 髙木 雄介 新美 圭子 亀井 桂太郎
呼吸器内科当番制
安部 崇
午後 金岡 祐次 髙木 雄介 新美 圭子 亀井 桂太郎
血液内科当番制
安部 崇

スタッフ紹介

金岡 祐次
役職 顧問
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
1984年
専門医資格(その他) 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本肝胆膵外科学会
名古屋大学臨床教授
認定ICD
専門分野 肝胆膵、腹腔鏡手術(ラパPD、ラパ肝切除)
血管合併切除を要する拡大手術
亀井 桂太郎
役職 通院治療センター部長(乳腺外科部長兼務)
卒業大学名
医師免許取得年
山梨医科大学
1988年
専門医資格(その他) 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本乳癌学会
日本臨床腫瘍学会
専門分野 乳がんの外科
化学療法
安部 崇
役職 通院治療センター部長(呼吸器内科部長兼務)
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
1994年
専門医資格(その他) 日本内科学会
日本呼吸器学会
日本アレルギー学会
専門分野 呼吸器悪性腫瘍
がん緩和医療
成人気管支喘息
呼吸器感染症
新美 圭子
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
大阪市立大学
2001年
専門医資格(その他)
専門分野
髙木 雄介
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
2006年
専門医資格(その他) 日本血液学会専門医
日本内科学会認定医
専門分野
久納 俊祐
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
2009年
専門医資格(その他)
専門分野

通院治療センターでの化学療法の施行件数

当院での化学療法レジメンオーダーシステムについて

当院では電子カルテシステムに連動した化学療法レジメンオーダーシステムが稼働しています。
レジメン(化学療法の内容)は、あらかじめ院内のがん診療委員会化学療法検討部会にて審査を行い、ガイドライン等に基づいたエビデンスのある(科学的根拠により有効性が認められている)ものを登録し、この中から患者さんにあったレジメンを選択します。
科学・医学の進歩とともに、治療内容はどんどん進化していますので、レジメンも定期的に見直しを行い、最新の治療を受けていただけるようにしています。
医師がレジメンをオーダーする際には、まずコンピューターがチェックします。そして、オーダーした医師とは別の医師、複数の薬剤師、看護師がチェックを行います。
また、注射薬の調製は薬剤師が行い、複数の薬剤師、医師、看護師によるチェックと、バーコードを利用したコンピューターシステムによるチェックが行われます。最終的には患者さんご本人にも名前が間違っていないかを確認していただきます。
このように、何重にもチェックを行い、安全に化学療法が行えるようなシステムを構築しています。

以下に、通院治療センターで使用される主な化学療法レジメンをお示しします。

 乳がん(PDF

 肺がん・胸膜中皮腫(PDF)

 胃がん(PDF)

 食道がん(PDF)

 大腸がん(PDF)

 肝細胞がん・胆道がん・膵がん(PDF)

 白血病・リンパ腫・骨髄腫(PDF)

 卵巣がん・子宮体がん・子宮頸がん(PDF)

 尿路上皮がん・前立腺がん・腎がん(PDF)

 頭頸部がん(PDF)

 皮膚がん(PDF)

化学療法を受けられる患者さんへ

受診までの流れ

当センターは、完全院内紹介制となっています。
通院治療センターでの治療を行うには、主治医からの紹介が必要です。
紹介していただくと、あらかじめ通院治療センターの初回診察を受けていただきます。

初回診察について

初回診察では、通院治療センター医師、薬剤師、看護師より、治療内容・治療スケジュール・副作用・治療中の日常生活で注意すべき点などを説明させていただきます。そして、患者さんから化学療法を受ける同意を頂き、治療日を決定します(初回診察の日には通院治療センターでの治療は行いません)。

化学療法(治療)当日

来院後、パスポートを発行してください。
そして、まず2階の検査室で採血をお済ませください。
採血が済んだら、3病棟10階にお越しいただき、通院治療センターで受け付けを行ってください。
※治療内容によっては、採血などの検査がない場合や、採血以外に追加の検査がある場合があります。その場合は事前に説明させていただきます。
検査結果が揃いましたら、医師が診察を行い、その日の治療が可能か総合的に判断します。治療可能と判断されれば、看護師より血管の確保(注射針を刺します)を行います。同時に、薬剤部の専用の部屋で注射薬の調製を開始します。
注射薬の調製が終わり、通院治療センターに届くと、順次点滴を開始していきます。
治療中に薬剤師・看護師が副作用のチェックなどをさせていただきます。
点滴がすべて終わると、医師が診察を行います。
次の予約日を確認してもらいお帰りいただきます。
内服薬・外用薬などの処方がある場合は、1階の薬局でお薬をお受け取りになってからお帰りください。

帰宅後、次の治療日まで

日常生活の注意事項や、副作用の対処方法について事前にお渡しした冊子をよくお読みになってお過ごしください。わからないことがあれば、通院治療センターにお問い合わせください。特に注意しないといけない副作用があらわれた場合は(発熱が続く場合など)すぐに来院してください(通院治療センター対応可能時間:平日午前8時30分~午後5時15分)。
夜間や休日で通院治療センターで対応できない時間帯は、救命救急センターで対応します。その場合は、直接救命救急センターにお越しいただき、受付で事情をお話しください。
治療内容によっては、途中採血検査のみにお越しいただく場合(経過観察)や、白血球を上げる注射を打ちに来ていただく場合(支持療法)などがあります。


薬剤部での注射薬調製の様子

2名の薬剤師で、薬品名・採取量等を確認

調製した注射剤は、調製者とは別の複数薬剤師で監査を行う


  県下初となる抗がん剤混合調製ロボットを導入し、抗がん剤曝露の軽減と業務の効率化を目指す

よくある質問(Q&A)

Q1.通院治療センターで治療を受けるにはどうしたらいいですか?

A1.主治医の先生とご相談いただき、通院での化学療法(抗がん剤治療)が可能と判断されれば、主治医より通院治療センターに紹介されます。

Q2.通院治療センターで治療を受けるときの服装は、パジャマや寝間着ですか?

A2. パジャマや寝間着の必要はありません。楽な服装でいらしてください。点滴をしますので、腕を出しやすい服にしてください。

Q3.治療当日はどのくらいの時間がかかりますか?

A3. 治療の内容により異なりますので、通院治療センターでの初回診察の際に説明させていただきます。

Q4.通院治療センターでは昼食はでますか?

A4. 食事は出ませんので、必要な場合(治療時間が長い場合等)は持参してください。

Q5.売店や自動販売機、食堂はありますか?

A5. 売店や食堂は院内にはありますが、通院治療センターのフロアーにはありません。自動販売機は、通院治療センターのフロアーにあります。一旦点滴が始まると、終了までトイレ以外は移動できません。ですから、飲み物、食べ物等はあらかじめ準備してください。点滴中の食事はベッドで摂っていただきます。

Q6.治療中にテレビを観ることはできますか?

A6. はい、できます。各ベットに一台ずつ可動式のテレビ(有料)がついています。テレビカード(院内共通)とイヤホンを持参してください。

Q7.家に帰ってから副作用が出た場合はとうしたらいいですか?

A7. 副作用の種類や程度によって対応方法が違います。詳しくは通院治療センターでの初回診察の際に説明させていただきます。

Q8.治療日の希望はきいてもらえますか?

A8. なるべく希望に添えるようにしますが、治療の内容によっては不可能な場合があります。また、予約が埋まっている日が多く、急な変更や頻繁な変更も希望に添えないことが多いです。

Q9.採血などの検査結果によっては、点滴ができない場合があるのですか?

A9. はい、その通りです。採血などの検査結果によっては、点滴ができない場合があります。その場合は、当日の治療1回分をとばしたり、延期して1週間後に再びお越しいただいたりします。さらに採血の検査のみ追加でお越しいただくことや、白血球を上げる注射を打ちに来ていただくこともあります。
また、主治医との協議で予定していた治療内容が変更になる場合があります。その際、引き続き通院治療センターで治療を行う場合も改めて初回診察を受けていただくことになります。

スタッフ一同、精一杯サポートさせていただきます。

なお、夜間・休日は救急外来へご相談・受診していただきますようお願いします。

<医療機関・従事者の方へ>

 化学療法レジメンに関するお問い合わせ、患者さんに関するご相談や共有すべき情報等がございましたら

 下記までお願いいたします。

大垣市民病院 通院治療センター

電話(0584)81-3341 内線3100 平日午前8時30分~午後5時15分