R2年度初期臨床研修プログラム
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-124- その他:中心静脈確保などのルート確保・挿管・抜管などの手技、血液透析や呼吸器設定の調整、困難症例の検討会などⅥ.ICUの紹介 集中治療室は、負担の大きな手術後や全身状態の悪い患者さんの全身管理を行う場所です。また、体外循環装置、人工呼吸器、人工透析などを要する重症症例の患者さんが入室されます。救急搬送や手術件数に比例して多くなり、年間1000人以上の患者さん(2018年度:年間1,591例)の治療に当たっています。 当院の集中治療室は1965年に新設、1988年の増改築工事を経て、役割を果たしてきました。新設当時より最先端の治療が行われてきました。特に、先天性心疾患や体外循環による治療は、大垣市民病院の強みでもあります。体外循環とは、心臓や肺の代わりをしてくれる装置(膜型人工肺)を使って、体の循環を保つ方法です。心臓手術以外で膜型人工肺が実用化されたのは1970年代で、当時は呼吸補助の装置として試行錯誤が行われていました。そして、徐々に心臓の補助装置としても使用されるようになりました。また、導入には外科的手技を必要としていましたが、針を刺して血管に太い管を入れる事で、体外循環を導入する事ができるようになりました。心臓や肺が機能しなくなった時に、緊急対応で使用する事ができるようになったわけです。1989年5月に当院で初めて急性心筋炎の治療に体外循環が使用され、その治療に成功した時から歴史が始まっています。1992年には1歳の子供の蘇生にも成功しています。早期に最先端の医療を取り入れ、研究し、チームの力によってその治療を完遂する文化は、この集中治療室で培われてきました。 当院集中治療室は2016年に改修工事を経て、質の高い集中治療をできる特定集中治療室の施設基準をクリアしました。高度急性期医療を提供する病院の中枢機能として、集中治療室は進化し続けています。 従来の医療がそうであったように、集中治療室でも主治医主体で治療を行い、必要に応じて他分野の専門医やコメディカル(薬剤師や技師などの医療関係者)に相談しながら治療を進めていくという形を取っていました。しかし、集中治療室で行われる急性期治療は幅が広く奥も深く、とても医師だけで網羅できるものではありません。さらに、近年は医療機器や技術の発展が目覚しく、様々な専門家の知識が必要となっています。2018年11月より麻酔科医が中心となって、医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、言語聴覚士らが集まり、毎朝多職種カンファレンスを行うようになりました。多職種で情報共有する事で、より高度な治療戦略を立てる事が可能になりました。まさに、「チーム医療」で患者さんの治療に当たっています。 医療機器は日進月歩で進化しており、様々な機器が開発されています。酸素の値を見るだけでも画期的な発明であった時代から、まるで宇宙船のように複数のモニターが並ぶ時代に変わりました。それらを見る目を養うと共に、患者さんに触れて診るという原点を忘れずに進化し続けたいと思います。 集中治療では、「チーム医療」を実現する事が最も重要です。当院には、優秀なコメディカルスタッフが多数在籍しています。大垣市民病院の集中治療室は、それら多くのコメディカルスタッ

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