検査値の読み方
分類 | 検査項目 | 基準値 | 検査の意味 |
高値時に 考えられる疾患・状態 |
低値時に 考えられる疾患・状態 |
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血 液 一 般 |
白血球数 (WBC) |
3500~9900/μl | 主に感染症や血液疾患の有無を調べます。健康でも基準値からはずれることがあるので、このような時は医師に相談してください。 |
心筋梗塞・炎症・ 外傷・喫煙 白血病(20万~30万個に達する場合) |
悪性貧血・ 再生不良性貧血・ 放射線や 抗癌剤の副作用・ ウィルス感染症 |
赤血球数 (RBC) |
男395~540万/μl 女353~484万/μl |
赤血球数が減ると酸素の運搬能力が低下し、貧血がおこります。 | 多血症 | 貧血 | |
血色素量 (ヘモグロビン) (Hb) |
男12.7~16.4g/dl 女11.0~14.8g/dl |
赤血球中に存在する赤い色素で貧血が強いと低値となり、めまいや頭痛の原因となります。 | 多血症 |
鉄欠乏性貧血・ 悪性貧血・ 再生不良性貧血・ 溶血性貧血 |
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ヘマトクリット (Ht) |
男37.8~48.2% 女31.4~43.1% |
全血のうちの赤血球の割合を示し、貧血の程度を調べます。 | 脱水症状 | 貧血 | |
血小板数 | 12~40万/μl | 血液凝固に重要な働きをする血液成分で、血液疾患や慢性肝疾患などで減少します。 |
慢性白血病・ 感染症・ 薬剤 |
血小板減少性紫斑病・ 再生不良性貧血・ 白血病・肝硬変 |
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血液像 | 血液成分の異常を調べ、血液疾患や感染症などの疾患の有無を調べます。 |
感染症・白血病・ アレルギー |
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呼 吸 機 能 |
肺機能 (一秒率) |
70~100% | 主に慢性気管支炎、気管支喘息、慢性肺気腫などの慢性肺疾患の診断に用いられます。 |
慢性閉塞性肺疾患・ 気管支喘息・ 慢性気管支炎 |
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炎 症 反 応 |
血沈 | 赤血球沈降速度で、種々の感染症や炎症性疾患で亢進(高値)となります。また強い貧血や妊娠などでも亢進します。 |
感染症・膠原病・ 悪性腫瘍・ 貧血 |
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CRP (C反応性蛋白) |
陰性 | 急性の炎症や組織の損傷、膠原病などで増加します。 |
陽性:急性の感染症・膠原病・癌・ 心筋梗塞・ストレス |
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ASO (抗ストレプトリジンO) |
250lU/ml以下 | 溶連菌感染症の診断や既往の有無を調べるのに用いられます。 | 溶連菌感染症(リウマチ熱・急性糸球体腎炎) | ||
RF (リウマチ因子) |
陰性 (20lU/ml以下) |
特異性はありませんが、慢性関節リウマチ(RA)に高頻度に見出される抗体です | 陽性:リウマチ・膠原病 | ||
脂 質 ・ 代 謝 |
コレステロール | 130~220mg/dl | 動脈硬化や心臓病などの診断や予防のための指標として用いられます。 |
高脂血症・ 脂肪肝・閉塞性黄疸・ 甲状腺機能低下症・ ネフローゼ・糖尿病等 |
肝硬変・貧血・ 栄養障害・ 甲状腺機能亢進症 |
中性脂肪 | 150mg/dl以下 | 動脈硬化の危険因子の1つで、肥満、糖尿病、脂肪肝、内分泌疾患、特殊な高脂血症などで高値となります。 |
肥満症・脂肪肝・ 糖尿病 |
栄養障害・ 空腹 |
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HDLコレステロール (HDL-C) |
男40~70mg/dl 女50~80mg/dl |
善玉コレステロールといわれているもので、低値の場合は動脈硬化を促進するといわれ、注意が必要です。 |
長寿症候群・ アルコール過飲 |
肝疾患・ 肥満症 |
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尿酸 |
男3.6~7.0mg/dl 女2.4~7.0mg/dl |
痛風の原因となる物質で、高蛋白、高カロリーの食事、アルコールの過飲なども尿酸値の増加に大き<影響します。 |
痛風・腎不全・ 多発性骨髄腫・ |
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空腹時血糖 | 70~110mg/dl | 糖尿病の診断に用います。 |
糖尿病・ ステロイド長期投与 |
インスリノーマ | |
HbA1c(NGSP値) | 4.6~6.2% | ヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、過去2~3ヵ月の血糖値の状態を反映するので、糖尿病の程度や治療効果の判定に用います。 |
糖尿病・腎不全・ 慢性アルコール中毒 |
溶血性貧血 | |
腎 機 能 |
BUN (尿素窒素) |
8.0~23.0mg/dl | BUN、CREともに腎臓の排泄機能(腎機能)が正常かどうかをみるために用いられます。 |
腎機能障害・脱水 閉塞性尿路疾患・ 糖尿病・消化管出血 |
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CRE (クレアチニン) |
0.62~1.10mg/dl |
腎不全・ 慢性腎炎 |
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尿蛋白 | 陰性 | 尿中のタンパクで腎炎やネフローゼ症候群でたくさんでます。 |
陽性:急性腎炎・慢性腎炎・ネフローゼ症候群・ 尿管や膀胱および尿道の炎症・生理的蛋白尿・ 結石ならびに腫瘍・妊娠中毒症 |
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尿潜血 | 陰性 | 尿中の赤血球を試験紙でみた反応で、腎臓病、泌尿器疾患の検査に用います。 |
陽性:膀胱炎・尿道炎・ 急性腎炎・前立腺炎・ 腎臓や尿路の結石・腫瘍 |
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肝 ・ 胆 道 ・ 膵 |
TTT (チモール 混濁反応) |
4U未満 | 血清膠質反応とよばれ、慢性肝疾患、膠原病、慢性炎症などで高値を示します。 |
ウイルス性肝炎・ 肝硬変・慢性肝炎・ 多発性骨髄腫 |
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ZTT (硫酸亜鉛混濁 試験) |
4~12U | ||||
AST (GOT) |
5~40lU/l | 肝臓の細胞が壊れると血液中に出てくる酵素で、急性肝炎や慢性肝障害で肝細胞障害の強いとき高値を示します。GOTは心疾患、筋疾患でも上昇します。 |
心筋梗塞・肝炎・ 脂肪肝・ 筋疾患 |
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ALT (GPT) |
3~35lU/l | ||||
γ-GTP | 56lU/l未満 | 慢性肝障害、胆道疾患、アルコールや薬物による肝障害、脂肪肝などで高値を示します。 |
アルコール性肝障害・急性肝炎・肝臓癌・ 薬物性肝障害 |
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LDH (乳酸脱水素酵素) |
130~250lU/l | 肝疾患、心臓疾患、血液疾患で高値となる酵素です。 |
急性肝炎・心筋梗塞・ 肝胆道癌・ 大腸癌・白血病・ 悪性貧血・腎不全 |
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T.Bil (総ビリルビン) |
0.2~1.2mg/dl | 肝胆道疾患で黄疸の見られるとき、高値となります。また溶血でも高値となり、体質的にも高い人がいます。 |
体質性黄疸・ 肝胆疾患・ 薬物性肝障害 |
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ALP (アルカリ フォスターゼ) |
104~338lU/l | 肝胆道疾息や骨疾患で高値を示します。 |
急性肝炎・肝臓癌 ・胆道疾患・ 薬物性肝障害・ 甲状腺機能亢進症 小児・妊婦 |
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ChE (コリン エステラーゼ) |
185~431lU/l | 肝疾患、血液疾患、消耗性疾患、などで低値を示し、ネフローゼ・脂肪肝などで高値となります。 |
脂肪肝・ ネフローゼ症候群 |
肝硬変・慢性肝炎・ 肝臓癌 |
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CPK (クレアチン キナーゼ) |
35~200lU/l | 骨格筋や心筋に多<含まれ、筋炎、心筋梗塞などで高値となります。また激しい運動後も高値を示すことがあります。 |
急性心筋梗塞・ 心筋炎・多発性筋炎・ 甲状腺機能低下症・ 悪性腫瘍・運動後 |
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TP (血清総たんぱく) |
6.5~8.2g/dl | 栄養状態を反映する指標ですが、肝機能や腎機能の障害で、代謝異常があると変動します。 |
多発性骨髄腫・ 悪性腫瘍・ 甲状腺疾患 |
臥位安静時採血・ 肝臓障害・ 骨障害・膠原病 |
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ALB (アルブミン) |
3.5~5.0g/dl |
臥位安静時採血・ 栄養不良・ 肝臓病・腎臓病 |
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CEA (癌胎児性 タンパク抗原) |
2.5ng/ml以下 | 消化器系腫瘍、肺腫瘍、慢性肝疾患などで高値となるが、年齢や喫煙でも上昇することがあります。 |
大腸癌・肺癌・ 食道癌・肝癌 肝硬変 |
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CA19-9 (糖鎖抗原19-9) |
37U/ml以下 | 肝・胆道・膵の腫瘍や炎症性疾患などで上昇します。 |
膵臓癌・胆管癌 ・胆石症・膵炎・ 胃癌・大腸癌 |
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エラスターゼ | 40~260ng/dl | 膵酵素の一つで、膵炎や膵腫瘍で高値を示し、アミラーゼよりも病態を鋭敏に反映するといわれています。 |
膵臓癌・膵炎・ 腎不全 |
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尿中ウロビリノーゲン | 弱陽性(±) | 肝疾患や溶血性貧血などで高値を示します。 |
陽性:疲労・発熱・ 肝疾患 |
陰性:胆道系の病気による胆道の閉塞 | |
消 化 管 検 査 他 |
便潜血 | 陰性 | 腸からの出血の有無を便で調べます。免疲法なので食事の影響はありません。 | 陽性:大腸癌・痔 | |
ペプシノーゲン (PG1・PG1/2) |
陰性 PG1 50ng/ml以下且つPG1/2比3.0以下を陽性 |
胃粘膜の萎縮(老化)の程度を見るための指標で、胃癌のになりやすいかどうかの判断にします。 陽性の場合は定期的な胃の検査が必要です。 |
陽性:萎縮性胃炎 | ||
PSA (前立腺特異抗原) |
4.0ng/ml以下 | 前立腺肥大や前立腺癌の発見に有用といわれています。 |
前立腺癌・ 前立腺肥大 |