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糖尿病・腎臓内科

糖尿病内科の紹介

基本方針

 食生活の欧米化、車社会の発達に伴う運動不足、ストレスの多い社会生活などによって、糖尿病患者さんは増えています。
日本にはおよそ950万人(2012年現在)の糖尿病患者さんがいるといわれています。その予備軍は1100万人に上り、国民の5人に1人が糖尿病あるいは予備軍であるという結果が示されました。糖尿病は血糖値が高くなった病態で放置していると種々の血管合併症(網膜症、腎症、神経障害、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、足壊疽等)をきたします。
すい臓より分泌されるインスリン量が少なくなったとき、またはインスリンの働きが悪くなったときに血糖値が上昇しています。当科においては、この2つの血糖値を悪くする要因を検索し、これに基づき治療計画を立てております。
食事療法が守れていないとか運動療法ができていないといった、通り一遍の治療にとどまらず、患者さんひとりひとりに血糖値が悪くなった要因をお教えし、それが生じた原因を患者さん本人と共に考えて答えを導き、治療にあたるというオーダーメイド治療に取り組んでおります。

1.糖尿病教育入院

 初めて糖尿病と診断された人、血糖のコントロールが悪い人、インスリン注射が必要な人、減量が思うように進まない人などが対象です。
2週間の入院が基本ですが、場合によっては1週間のコースも可能です。入院前に合併症の検査を行い、入院中に具体的な指導を行います。

2.外来糖尿病教室(木曜日の午後1時30分から4時30分まで)

 初めて糖尿病と診断された人、食事療法や運動療法の具体的な方法を知りたい人などが対象です。3回を1セットとして参加していただきます。
ただ講義を聴くだけでなく、尿糖測定・歩数計・自己管理表・食事記録などを利用しながらそれぞれの病気の状態に応じた指導を行います。

3.外来インスリン指導

 インスリン注射が必要な方で、入院する必要まではない方や、仕事などの都合で入院が難しい方が対象です。午後3時から外来で行います。
日数は個人差がありますが、3-4日間で、注射の方法だけでなく日常の注意事項や食事・運動療法の進め方についても指導を行います。

4.栄養指導(個別)

 個別で栄養士が指導を行います。1回の指導では不安がある方や、不十分な方は継続して指導を行います。

5.糖尿病透析予防指導

 腎機能の透析療法が必要となる原因疾患の第1位は糖尿病腎症で、本邦においては年間16,000人以上に上ります。糖尿病腎症の進行を止めるためには、血糖コントロールのみならず、血圧、脂質等の管理、減塩。たんぱく制限などの食事療法が重要です。当科では医師、看護師、管理栄養士、薬剤師が診療チームを組んで糖尿病腎症進展抑制のためのきめ細かい療養指導を含めた集学的治療を行っています。

6.フットケア外来

 2009年1月から足に不安をかかえる糖尿病患者さんを対象にフットケア外来が開設されました。普段の足のお手入れや巻き爪・タコの処置などについて専任の看護師が指導と治療にあたります。

7.糖尿病患者会:糖友会希望(のぞみ)

 患者さん中心の医療を提供するために当院では糖尿病患者会「糖友会希望(のぞみ)」を運営し、年に6回(奇数月)糖尿病公開講演会と年に1度総会を開催しております。会員数は56名(2009年1月現在)で、医師・看護師・栄養士・薬剤師・理学療法士と一緒に情報交換を行いながらより良い療養生活を目指しています。入会を希望されるかたは、お気軽に内科外来窓口でご相談ください。

8.病診連携(地域連携クリニカルパス)

 糖尿病患者さんの数は非常に多く、当科のような糖尿病専門機関での診療だけでは十分な医療を行うことできず患者サービスの低下につながっていました。当科では地域の一般医と勉強会を積み重ね、2001年から当科と一般医との連携(病診連携)のもとに診療を行うシステムを構築してきました。昨年からはそのシステムをクリニカルパスという形で公開し多くの医療機関と連携して糖尿病診療を行うようにしています。具体的には、安定した状態時の診察や検査は一般のかかりつけ医で行って頂き、合併症の定期検査やコントロール悪化時には当科を受診していただくシステムです。

腎臓内科の紹介

基本方針

 腎臓内科では、腎臓病、高血圧などの病気に対して専門的な検査や治療を行っております。

当診療科の対象疾患

 腎臓病、高血圧、水電解質異常

次のような症状を扱っています

 尿量が多い、尿量が少ない、尿がでない、尿が赤い、血尿がでた、尿が泡立つ (蛋白尿)

 血尿、蛋白尿など腎疾患の原因診断、慢性腎臓病(CKD)の進行抑制、高血圧を主体とした診療や、糖尿病腎症、腎硬化症、膠原病に伴う腎障害などの多岐にわたる腎疾患の診療をおこなっています。とくに、慢性腎臓病の進行抑制策として、高血圧、肥満、脂質異常症などメタボリックシンドロームの是正を含む包括的治療を行っています。糖尿病腎症の管理においては、糖尿病性腎症予防プログラムを活用しながら腎症の進行抑制はもとより完全寛解を目指しています。
 当院では腎機能維持のための治療はもちろんのこと、やむなくて末期腎不全に至った患者に対しては、選択療法外来において腎代替療法として、血液透析、腹膜透析、腎移植の治療選択をお話し、個々にあった治療法の選択を指導しています。

1.腎生検

 腎臓病にはたくさんの種類があり、治療法が大きく異なる場合もあります。血液や尿検査だけでは細かい腎臓病の種類まではわかりません。
腎生検は腎臓病の正確な診断とその治療法(診断できなければ正しい治療はできません)を知るために、腎臓の一部を針で刺してとってくる検査です。 危険性が全くない訳ではないので一週間の入院が必要です。

2.血液透析

 西濃地区の約00人の透析患者さんが急変または他の疾患で入院した場合、あるいは急性期の腎臓病患者さんを治療するセンターとしての役割をはたすために、当院では原則として維持透析は受けていません。したがって、当院退院後は必ずどちらかの透析施設に移っていただくことになります。

3.内シャントの作成やトラブル

 血液透析を行うためには内シャントの作成とトラブル時の対応が必要になります。内シャントの作成については、従来は外科と共同で行っておりましたが、2014年9月からは当科で作成するようになりました。また、シャントトラブルへの対応は、経皮的血管形成術(PTA)も含め、当科で行っています。周辺の透析施設の患者さんの内シャント作成やPTAも当科で行っております。

4.腹膜透析

 腎移植、血液透析と共に末期腎不全に対する治療法のひとつです。2013年7月現時点で当院には21名の腹膜透析患者さんが通院中です。

 日本ではまだまだ腹膜透析が血液透析に比べて十分普及していません。その理由の一つに、腹膜透析に関する十分かつ正確な説明・情報が腎不全の患者さんやご家族に伝わっていないことがあります。 しかしながら、腹膜透析は腎代替療法としての十分な医学的根拠があり、患者さんにとってメリットの大きい治療法であり、血液透析に劣らない治療法です。

 腹膜透析は、おなかの中に透析液を注入し一定時間ためている間に血液中の尿毒素や塩分・水分が腹膜を介して透析液に移動することを利用し、その後透析液を体外に取り出すことで血液浄化を行います。血液透析と比較して、腹膜透析は

  • 通院回数は月に2回で自由に過ごせる時間を作りやすく、自分の生活リズムに合わせて治療できる
  • 時間をかけてゆっくり透析が行われるので体への負担が少ない
  • 家庭で行える
  • 比較的食事の制限が緩やか
  • 残っている自分の腎臓のはたらき(残腎機能)を長持ちさせることができる

などのメリットがあります。 しかし、デメリットもあります。

  • 何といっても自分で行う治療です。治療操作ができなければいけません。 従って、治療操作を覚えていただくために、きちんとした教育システムを持っている医療施設で、勉強をしていただかなくてはなりません。
  • おなかの大きな手術を受けた人など腹膜透析が向かない場合があります。
  • 治療開始後5-10年くらいで、腹膜のはたらきが悪くなってきて、十分な治療ができなくなります。そうなると、腹膜透析は終了して、血液透析に移行していただくことになります。

5.そのほか当科で行っている血液浄化法

  1. LDLアフェレーシス
    心臓や足に動脈硬化があり、薬では十分にコントロールできない高脂血症の方の治療法。
    2週間に一回、血液中のコレステロールを透析器のような機械を通して取り除く方法。
    心臓の動脈硬化の場合は生涯つづけます。
  2. 血漿交換療法(特に二重膜濾過法)
    主に自己免疫疾患に対し行う。血液中の抗体と呼ばれるタンパク質を取り除きます。
    週に1~2回、長くて3ヶ月間。
  3. 顆粒球除去療法
    消化器内科の疾患で、潰瘍性大腸炎という病気に対して行います。
    血液中の活性化好中球という一種の白血球を取り除きます。週一回、5~10週間。

スタッフ紹介

傍島 裕司
傍島裕司 部長
役職 副院長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
1985年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定医、指導医)
日本糖尿病学会(評議員、専門医、研修指導医)
日本腎臓学会(専門医)
日本透析学会(専門医、指導医)
専門分野 糖尿病学
内分泌学
腎臓病学
大橋 徳巳
大橋徳巳 医長
役職 部長
卒業大学名
医師免許取得年
慶応大学
1991年
専門医資格(その他) 日本内科学会(認定医、指導医)
日本糖尿病学会(専門医)
日本腎臓学会(専門医)
専門分野 糖尿病学
腎臓病学
柴田 大河
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2000年
専門医資格(その他) 日本糖尿病協会(幹事)
専門分野
藤谷 淳
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2004年
専門医資格(その他) 日本糖尿病学会
日本内分泌学会
日本内科学会
日本病態栄養学会
専門分野
永田 高信
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
2007年
専門医資格(その他) 日本内科学会
日本腎臓学会 
日本透析医学会 
専門分野   
瀬古 浩史
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2013年
専門医資格(その他) 日本内科学会
日本腎臓学会
専門分野
若山 尚寛
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
愛知医科大学
2018年
専門医資格(その他)
専門分野
浅井 千加良
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
2019年
専門医資格(その他)
専門分野
近藤 優樹
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2019年
専門医資格(その他)
専門分野   
坂口 直大
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
藤田医科大学
2019年
専門医資格(その他)
専門分野
内藤 向洋
no image
役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2022年
専門医資格(その他)
専門分野

手術症例

診療実績

外来実績
2022年 2021年 2020年 2019年 2018年
外来患者数(月平均) 3030 3025 2975 3333 3356
 2型糖尿病患者数(月平均) 2114 2118 2085 2316 2279
  自己注射患者数(insulin+GLP-1)(月平均) 994 1001 984 897 899
  1型糖尿病患者(月平均) 213 216 209 182 194
  CSII(月平均) 14 13 12 12 11
外来糖尿病教室受講者 45 51 48 64 69
フットケア(年間延べ数) 322 340 391 441 469
透析予防指導(年間延べ数) 675 692 733 812 775
維持血液透析患者 35 26 22 22 25
維持腹膜透析患者 53 42 33 21 22
PTA(内シャント血管形成術) 68 76 63 91 107
入院実績
2022年 2021年 2020年 2019年 2018年
入院患者総数 835 793 739 793 841
糖尿病教育(入院) 109 121 139 124 122
腎生検 37 62 51 36 46
新規血液透析導入患者 69 93 95 102 120
新規腹膜透析導入患者 16 19 11 5 9
内シャント設置術等 97 105 92 86 206

透析予防指導は2012年5月から開始
内シャント設置術は2014年9月から当科で開始

学会発表

2022年 2021年 2020年 2019年 2018年
学会・研究会発表 12 15 10 10 12
論文(原著を含む) 0 0 0 0 1

糖尿病公開講演会

令和2年9月17日(木)に開催されました 「第85回糖尿病公開講演会」の配布資料を公開いたします。

第85回糖尿病公開講演会(pdf)

令和2年11月16日(月)に開催されました 「第86回糖尿病公開講演会」の配布資料を公開いたします。

第86回糖尿病公開講演会(pdf)

令和5年2月16日(木)に開催されました 「第89回糖尿病公開講演会」の配布資料を公開いたします。

これならできる やってみよう この運動 (pdf)

リラックス・ストレッチ(pdf)

第89回糖尿病公開講演会(pdf)