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健康診断時の胸部X線画像の読影体制について

2019年04月12日 トピックス

 胸部X線検査の異常所見は、正常範囲の範疇に入る所見から治療を要する所見まで、多岐にわたります。どこから異常・精査要とするかは統一した見解はありません。

 当院では過去に健診時に胸部X線画像の淡い小陰影を異常として指摘しなかった女性の事例を経験しました。その翌年の健診をきっかけに肺がん(ⅢA期)と診断され、ほぼ5年間治療を行っていましたが、治療の甲斐なく60代で死亡されるという残念な結果となりました。当院としては、この事例から得た教訓を真摯に受けとめ、現在は健診時における呼吸器系疾患の早期発見に努めています。

 胸部X線検査について、より精度を高める対応を心がけるために、呼吸器内科専門医師と健康管理センター医師との複数での読影を徹底し、所見の見落としの回避、要精査の判定に寄与するように、健診の読影体制を見直しました。

 しかし、残念ながら異常所見もごく小さな所見の状況では、認知するのに限界があります。そのため、定期的な検査をすることで以前の情報と比較でき、早期に異常を発見できる可能性があることから、定期的な健診をお勧めいたします。

 今回の経験を今後の当院における医療安全のさらなる質の向上に役立てるために、努力してまいります。