R3年度初期臨床研修プログラム
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-17-<問診聴取・身体的診察・X線や検査所見の解釈・カルテ記載> 外来研修で研修Ⅶ.糖尿病・腎臓内科の紹介 糖尿病・代謝・内分泌内科と腎臓内科の2つの内科領域を担当している。糖尿病腎症、電解質異常、2次性高血圧など両分野にわたる疾患は多く、両分野の協力のもと専門性の高い医療を提供している。①糖尿病・代謝・内分泌分野 西濃医療圏の中核病院として糖尿病をはじめとする代謝内分泌疾患の診療を行っている。日本糖尿病学会の教育指定病院でもあり、特に糖尿病の診療には力を入れている。インスリン使用患者数・血糖自己測定患者数は全国でも有数である。 初診の糖尿病患者は年間約300人。通院中の糖尿病患者は約4000人。インスリン、GLP-1受容体作動薬自己注射患者は1300人以上で、うち70%が血糖自己測定を行っている。糖尿病の治療は患者自身が糖尿病とその治療法の正しい知識を持ち、それを実施するという自己管理が最も重要で、その中心が糖尿病教育・患者指導である。教育チームは医師・看護師・栄養士・薬剤師・検査技師・理学療法士から構成され、外来での糖尿病教室、教育入院、個別指導を行い、定期的に検討会を開く。外来糖尿病教室は、3回を1クールとし、平均10人程度参加。教育入院はその目的によって1~2週間、教育入院を含めた入院患者数は年間約200人。インスリン治療の新規導入者は年間約100人で、入院での導入が多いが外来でも可能である。糖尿病合併症の予防と治療が大切であり、末梢神経障害は神経伝導速度、振動覚計、心拍変動などで評価し、腎症は蓄尿法による腎機能、微量アルブミン尿検査を外来でも定期的に行っている。動脈硬化に伴う合併症も重要で、負荷心電図、MDCT心筋シンチグラム、冠動脈造影は循環器内科と協力して行っている。足病変・足壊疽の治療・予防にはABI、PWVで評価しフットケアを指導している。 内分泌疾患では甲状腺疾患が最も多く、バセドウ病、慢性甲状腺炎、機能低下症の診断治療の他、結節性病変には吸引細胞診や超音波、シンチグラムで診断し頭頚部・耳鼻咽喉科と協力し適宜手術を行う。その他クッシング病、ACTH欠損症、下垂体機能不全、尿崩症、アジソン病、ヘモクロマトーシス、アルドステロン産生腫瘍などの治療経験もある。②腎臓分野 蛋白尿、血尿を中心にした検尿異常から末期腎不全まで包括的に診断・治療できる体制になっている。腎生検の症例数は年間40-50例でIgA腎症、MCNS、FSGS、膜性腎症、ANCA関連腎炎などが多く、名古屋大学腎臓内科とも連携し治療方針を決定している。血液透析は昭和44年から開始し、岐阜県下でもっとも早くから透析医療を行っている病院の一つであり、年間透析導入例が年間60例を超え、腹膜透析も常時20例程度を抱える県内でも透析医療の中心的役割を担う病院である。血液透析だけではなく最近では家族性高脂血症に対するLDLapheresisや種々の自己免疫疾患に対する血漿交換療法(DFPPなど)、消化器内科と協力

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