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院長のご挨拶

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 2020年には東京オリンピックが開催されます。それほど遠い未来でもなく、今から大変待ち遠しくまた楽しみにしています。景気回復はもとより国全体が活気を取り戻す良い機会としたいものです。さてそこからわずか5年先にいわゆる「2025年問題」が待ち構えています。戦後のベビーブームである団塊の世代がすべて75歳以上となり本格的な高齢化社会が到来するのです。もとより単年で終わる話ではありません。国立社会保障・人口研究所によればその後の数十年間において後期高齢者人口は高止まり、少子化と相まって2060年にはおよそ4人に1人が75歳以上となる超高齢化社会が推計されています。

 「高度成長時代」に形作られた公的保険等の社会保障制度は高齢者がその時代の現役層に支えられる仕組(賦課方式)となっているため、財政状況は今後ますます厳しいものとなります。周知のごとく既に多額の債務残高を抱える日本の財政事情は極めて深刻であり、このまま放置すれば財政危機に見舞われることは確実です。かような状況のなか今まではともすれば聖域とされてきた医療の世界にも非情なメスが入ることは必至となりました。当院においても「患者中心の医療」、「良質な医療の提供」を理念とし患者さんのQOLあるいは病気のことのみを考えていればよかった古き良き時代からさらに効率性をも重視した新時代へと変化してゆかねばなりません。「この世に生き残るのは最も力の強いものか?そうではない。最も頭のいいものか?そうでもない。それは変化に対応できる生き物だ」。この出典はダーウィンの「進化論」にあるともされていますがよく警句として用いられてきました。本年6月「地域における医療介護の総合確保推進法案」が成立しました。医療法関係は10月以降に順次施行される予定です。戸惑うことも多いかもしれませんが、持続可能な社会保障制度の確立をめざし日本の医療も生存をかけて変わらねばなりません。

 当院はこれまで岐阜県西濃地方を中心とした診療人口40万人の中核病院として地域医療を担ってまいりました。今後ともその立場に変化はありませんが、病床機能をより明確とせねばなりません。当院は大学病院本院に次ぐ高次機能病院として「DPC医療機関群Ⅱ群」に認定されています。しかしながら今後の地域医療ビジョンにおける高度急性期病院に求められるハードルはもっともっと高くなることが予想されます。高度な急性期医療には今まで以上に医師・看護師・薬剤師等の医療スタッフを多く配置し、質の高い医療と手厚い看護を提供するかわりに平均在院日数を欧米並みに更に短縮するようもとめられます。と同時に後方病院との連携のもと病院の退院調整スタッフの積極的な介入が義務付けられます。いっぽう外来部門は紹介患者あるいは一部の特殊・専門外来のみへと縮小し、安定期の一般外来はいつでも必要な場合に往診してくれる地域の「かかりつけ医」でとなります。外来患者でごった返す当院の現在の姿はやがて過去のものとなっていくのでしょう。

 2025年を見据えた医療制度改革が始まりました。自治体病院としてのあるべき姿につき多方面よりご意見を拝聴しつつ、当院もそして西濃地方の地域医療も再構築されていかねばなりません。ある程度は許容されてきた便宜的な「おもてなし」も次第に制限されることとなるでしょう。今後とも職員、関連各位はもとより、当院をご利用いただいている地域住民の皆様の更なるご理解・ご協力をよろしくお願いします。

H26年7月